東日本大震災:七十七銀行員の津波被災 遺族の請求棄却

毎日新聞 2014年02月25日 10時10分(最終更新 02月25日 10時15分)

 東日本大震災の津波で七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の行員らが犠牲になったのは同行が適切な避難誘導など安全配慮義務を怠ったためとして、行員ら3人の遺族が同行に計約2億3000万円の賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(斉木教朗=のりお=裁判長)は25日、請求を棄却した。震災犠牲者の遺族が避難を巡り、勤務先や学校などの責任を問う一連の訴訟では2件目の判決で、遺族側が勝訴した1件目とは司法判断が分かれる結果となった。

 提訴していたのは、死亡した行員の田村健太さん(当時25歳)と丹野美智子さん(同54歳)、行方不明になったスタッフの高松祐子さん(同47歳)の遺族計6人。

 訴状によると、2011年3月11日午後2時46分の地震発生を受け、当時の支店長が従業員13人に2階建ての支店屋上(高さ約13メートル)に避難するよう指示。午後3時半ごろ、最大20メートルの津波に襲われて4人が死亡、8人が行方不明になった。

 海岸から約100メートルに位置した支店の約260メートル先には、女川町の指定避難場所の高台・堀切山があった。近隣の金融機関では従業員が堀切山に避難するなどして犠牲者はなかった。訴訟では、屋上を避難場所とした七十七銀行の防災マニュアルの是非のほか、屋上の高さを超える津波を予測できたかどうかなどが争点となった。

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