傷害致死罪に問われたものの福岡地裁小倉支部での裁判員裁判で無罪となった北九州市門司区の会社員(21)=事件当時は未成年=に対し、福岡高裁は18日、一審判決を破棄し、福岡地裁へ審理を差し戻す判決を言い渡した。裁判員裁判で全面無罪となった判決を差し戻すのは2例目。会社員側は上告を検討する。

 差し戻し審は、地裁が別の裁判員を選任してやり直すことになる。最高検によると、裁判員裁判の控訴審で差し戻し判決が出たのは1月末で9件。うち、全面無罪事件は、2012年の覚醒剤密輸事件(大阪高裁)の1件だけ。

 会社員は12年3月6日午後11時45分ごろ~7日午前2時40分ごろ、交際していた女性宅で、女性の長男(当時2)に暴行し、十二指腸破裂による循環不全で死亡させたとして起訴された。