Financial Times

安倍首相を望んだことを悔やむ米国政府

2014.02.21(金)  Financial Times

(2014年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

安倍晋三首相が率いる日本と習近平国家主席が率いる中国との関係を評価するのは極めて簡単だ。どちらも相手をあまり好きではない。日中双方が、政策目標を推し進める道具としてナショナリズムを利用している。どちらも恐らく、相手側に押しがいのある「タフな男」がいることは都合がいいと考えている。

 評価するのがそれほど簡単でないのが、日米関係の状態だ。本来であれば、日米関係は日中関係よりもはるかに容易に読み解けるはずだ。結局、日本は米国にとってアジアで最も重要な同盟国であり、第2次世界大戦の終結後、米軍の戦闘機と部隊を受け入れる「不沈空母」だったのだから。

緊張する日米関係

日中外交問題、両国がドイツを引き合いに

安倍晋三首相は米国政府が長年求めてきたような日本の首相だが・・・〔AFPBB News

 そして今、数十年間にわたり米国から促された末に、ようやく強固な防衛態勢を築き、平和主義の日本が長年大事にしてきた「ただ乗り」の国防政策を見直す意思を持った安倍氏という指導者がいる。

 だが、長年求めてきたものを手に入れた今、米国政府はおじけづいている様子を見せている。

 その兆しの1つは、安倍氏が昨年12月に靖国神社を参拝した後に米国政府が「失望」を表明したことだ。靖国神社は中国と韓国から、自責の念がない日本の軍国主義の象徴と見なされている。

 以前は、米国政府は内々に靖国参拝への不満を述べたが、公然と日本を非難することはなかった。日本政府は今回、米国が日本語できつい響きのある失望と訳された「disappointed」という言葉を使ったことに驚かされた。

 ほかにも緊張の兆候が見られた。米国の政治家は、安倍氏の歴史観に対する懸念を表明している。バージニア州の議会は、学校教科書に日本海を表記する際には韓国名の「東海」を併記するよう求める法案を可決した。米国政府は、安倍氏の指揮下で、やはり米国の重要な同盟国である韓国と日本の関係も悪化したことを懸念している。

 日本の観点から見ると、論争になっている島嶼に対する日本の支配権に対し、中国政府が防空識別圏設定の発表で巧妙に対抗してきた時、米国政府は十分な力強さをもって日本を支持しなかった。

 米国政府は確かに中国の防空識別圏内に爆撃機「B52」を2機送り込んで不満を表したが、米国のジョー・バイデン副大統領は北京を訪問した時に、この問題をことさら取り上げなかった。

 東京の多くの政府関係者は、米国政府は事実上、中国の…
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