中国の北京市周辺がこの冬最悪の大気汚染に見舞われている。24日も有害物質を含む濃霧が発生、20日に発令した汚染警報を解除できない状態が続いている。西高東低の気圧配置となる冬場は特に汚染物質が大陸から太平洋に向かって飛びやすく、日本や韓国などで越境汚染への懸念が高まりそうだ。
中国政府はさまざまな汚染対策を打ち出しているが、長期化を阻止する有効な解決策は見いだせていない。市民の怒りの矛先は政府に向けられており、共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「汚染が一層深刻化すれば、人々の間でパニックを引き起こしかねない」と危機感を示した。
中国各紙によると、北京市内の病院には呼吸器系疾患を訴える患者が殺到。救急診療室は満員となり、患者の受け入れが困難となる恐れもある。
汚染は27日ごろまで続く見通し。(共同)