大阪市:橋下市長戸籍閲覧 相次ぐ市職員の不正アクセス

毎日新聞 2014年02月24日 22時47分

 大阪市は24日、大正区と淀川区の両区役所で窓口サービス課の戸籍担当職員2人が、戸籍情報システムを使って橋下徹市長らの戸籍を業務と関係なく閲覧していたと発表した。大阪市では市職員による行政情報への不正アクセスが相次いでいる。昨年10月には上司のパスワードで庁内ネットワークに侵入したとして男性職員が不正アクセス禁止法違反で立件され、懲戒免職になったばかり。今回はアクセス権限のある担当職員2人の不正で問題は根深く、市はアクセス状況をチェックできる仕組みの検討に入った。

 市によると、大正区の男性職員は2010年8月から不正閲覧が常態化していたが、同僚は誰も気付かなかったという。職員は会話をした同僚や思い浮かんだ有名人らを戸籍情報システムで検索。市は検索数を「1日平均2件ぐらい」と推測するが、確認には時間がかかるという。

 市では過去に同僚のパスワードで人事資料を見るなどの市職員の不正アクセスが発覚。市の担当者は「今回は権限を持つ職員による不正で防ぎようがない」と話す。

 市は情報システムの改良も検討するが、変更時期は未定だ。担当者は「アクセス記録が残り、不正はできないと職員に周知徹底するしかない。抜き打ち調査も検討している」と話す。【重石岳史】

最新写真特集