書いている小説の一部抜粋。
テーマ:詩・小説と、いうわけで、現在書いている小説の、ほんの一部を、試験的に掲載してみます。
この小説について、先日、どのような考えのもとで書いているのかを紹介しております。
今のところ、小説の完成度については、まだ10%以下なんですけれど…。
でも、導入部分については、何とか完成してきたかな、と、いったところ。
あとは、主人公たちが、勝手に動いてくれるように、物語を進行させていけばいいんですけどね。
僕は、河原で、手を洗っている。
僕の両手には、ねっとりとした血がついている。今まで殺してきた、人間の血が。
早く洗い落とさないと。
でも、洗っても洗っても、血は落ちない、それどころか、さらに血がべっとりとまとわりついてきている。
僕は、必死になって手を洗っていく。
けれど、洗えば洗うほど、両手は血で染まっていくばかりではなく、腕が、そして全身が、どんどん血で染まっていき、
「……!」
それが、夢であったことに気がつくまで、少し時間がかかった。
座ったままの姿勢で、いつの間にか、眠ってしまったようだ。
両手を、見る。
昇ったばかりの太陽に照らされた手には、血は、ついていない。
僕は、いつの間に、眠ってしまったんだろうか。
いやな、夢だな。
こんな時、人間ならば、冷や汗をかくのだろうけれど、僕は汗はかけない。代わりに、息づかいが、ほんの少しだけ荒くなってしまう。
女性のほうを見ると、まだ眠っている。規則正しく胸が上下しているのが解る。
立ち上がって、体をゆっくり伸ばしながら、深呼吸を何度も繰り返して息を整えていった。そして、消えかかっていたたき火に薪を足しておく。
あんな夢を見るのも、仕方がないのかも知れない。理由はどうであれ、僕は、多くの人を殺してきたのだから。
僕が人を殺したのは、今までで、37人。
ひとりめは、僕が、この世界に来て2年目、僕がまだ子供だった頃だ。男が、僕と一緒にいたお手伝いさん達のひとりを、僕の目の前で殺した。そして、その男が僕に襲いかかってきた。僕は必死になって抵抗して、男からナイフを奪い、そして、男の胸に突き刺していた。人を殺してしまった時、僕は、何をしてしまったのか、すぐには理解できなかった。
ふたりめは、強盗だった。財産を狙って屋敷に侵入した二人の男が、父さんに襲いかかっていた。僕は父さんを助けようと、男のひとりにに飛びかかり、後ろから首を締め上げて、殺した。殺した男は、僕と一緒に体術を学んでいた、僕の、友達だった。
そのあと、宮廷魔術師付きの戦士、つまり父さん専属の戦士として、城で働くようになったけれど、軍や治安維持隊からの依頼で、窃盗団や強盗達を追跡したり、犯罪組織を撲滅する手助けをしたり、そんな仕事を請け負ううちに、それこそ何人もの命を奪ってしまった。
好きで人殺しをしているわけじゃない。
嫌なんだ、本当は。人殺しなんて。
でも、僕がその相手を殺すことで、被害者が少しでも減るのならば。ならば、僕は、その相手を殺すその時には、躊躇はしない。それで、将来、その相手による犠牲者がいなくなるならば。
でも。
それでも。
僕は、人殺しだ。
理由はどうあれ、許されるものじゃない。
「ぐ…うぅ…」
思わず、手で、額を、掴む。
と、まあ、こんな感じです。
こうした、主人公の苦悩を、物語の中盤くらいに登場させる予定なのですが、果たして、小説は、いつ完成するのやら。
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1 ■どもども。
小説の人物名に困ったときワシはコレ使ってますよ。けっこー便利。
あーでも変な名前になるときも多いし、所謂ドラゴン小説系の名前もボチボチ…
できる名前はファンタジー系です。気に入る名前が来るまでまぁ気長にボタン連打ですな。
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