中国:習主席、訪独で日本けん制へ ホロコースト施設打診
毎日新聞 2014年02月24日 21時15分
【北京・工藤哲】ロイター通信は23日、中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の3月の欧州訪問に向け、中国政府がドイツ政府に対し、ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)関連施設の訪問を打診したと伝えた。中国は安倍晋三首相の歴史認識を巡る対応への批判を続けており、習主席はドイツ訪問時に、戦後処理などを巡る問題で日本とドイツとの対応の違いを引き合いにして、改めて日本をけん制する可能性がある。
習主席は3月下旬、オランダ・ハーグで開かれる核安全保障サミットに出席する方向で調整している。報道によると、欧州滞在中にはドイツ、フランス訪問も予定している。中国側は、習主席の第二次大戦中のナチス・ドイツによるホロコーストについて伝えるベルリンの施設訪問を打診したが、ドイツ側は難色を示した。別の関連施設の訪問も調整しているという。中国側は、ドイツ政府関係者が訪日し、歴史問題の対応についてドイツと日本が協力することを求めているという。
ドイツ側はコメントを控えているが、外交筋によると、ドイツは日本との対立に巻き込まれるのを望んでおらず、中国側がドイツの悲惨な過去に再三言及していることに不満を抱いているという。
中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は24日の定例記者会見で「まだ把握していない。中国はドイツとの関係を非常に重視しており、関係をさらに深め、新たな成果を得たい」と述べるにとどめた。