「おもてなし武将隊」は文化になるか/愛知
THE PAGE 2月24日(月)19時42分配信
甲冑(かっちゅう)姿のイケメンたちが観光客の前で立ち回りやトークを繰り広げる。そんな「武将隊」が各地で活躍していることをご存じだろうか。23日、全国10の武将隊からナンバーワンを決める「全国武将隊天下一決定戦」が名古屋市で開かれ、「名古屋おもてなし武将隊」が初開催だった昨年に続いて連覇を果たした。熱狂的ファンも生むその魅力と背景とは何なのだろう。
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■「天下一」にむせび泣き
「年間パスポートを買ってほぼ毎日、名古屋城に行って武将隊を応援してます。一生懸命なところが魅力」。名古屋市の30代の女性は「天下一」の会場でこう目を輝かせた。
2日間にわたって繰り広げられた今年のイベントに「参戦」したのは名古屋のほか仙台、金沢、長野・上田、広島、高知、熊本などの10隊。予選を経て5隊に絞り込まれた決勝大会はチケットが即日完売。各地からファンが駆け付け、926席のホールに立ち見が出るほどの熱気だった。
「熊本おもてなし武将隊」を追い掛けて熊本市から来た50代の女性は「人としての魅力がある。清正はじめ本当にいい人たちばかりなのよ」と入れ込む。
全国各地の武将隊ファンだという神戸市の10−30代の女性グループは「パフォーマンスだけでなく、トークなどでいろんな姿が見られるのが面白い。武将隊をきっかけに歴史も勉強し始めて、ハマっちゃいました」と盛り上がっていた。
決勝大会では各隊が15分間ずつの演武(パフォーマンス)を披露した後、ファン投票と審査員の採点を合計。「3位・信州上田、2位・熊本、1位・名古屋」の結果が出ると、黄色い歓声と感動の余りむせび泣く声が会場に響き渡った。
■名古屋の成功でブレイク
鎧兜姿で城などの観光案内に務めるPR隊はこれまでも小規模ながらあった。状況が変わったのは2009年、名古屋市の河村たかし市長が選挙公約の一つに掲げていた「武将都市ナゴヤ」キャンペーンに合わせ、「名古屋おもてなし武将隊」が結成されてからだ。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の「三英傑」を生み出した愛知・名古屋。ところがこれまでは名古屋城を案内する以外に「武将観光」の目玉はなかった。そこで地元の広告代理店などが企画を立て、リーマンショック直後の不況対策として国が創設していた「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用、職にあぶれた若者を「武将」に仕立てあげるというアイデアが動き出した。
最終更新:2月24日(月)20時34分
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