【2月24日 AFP】これまでで最も高い精度で電子の質量を測定したとするドイツの研究が、19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。この成果は、物理学の「標準理論」の実験を進めている科学者にとって役立つツールを提供することになる。
電子は負の電荷を持つ素粒子。ドイツのハイデルベルク(Heidelberg)にあるマックス・プランク核物理学研究所(Max Planck Institute for Nuclear Physics)のスベン・シュトルム(Sven Sturm)氏率いる研究チームは、静電場と静磁場を用いて荷電粒子を閉じ込めるペニングトラップ装置を使って、電子の質量を測定した。
研究チームは、すでに質量が判明している炭素原子核とセットになった単一の電子を測定。質量は、「0.000548579909067原子質量単位」だった。測定の精度は過去の推計と比べて13倍となった。
研究チームは、ネイチャーに掲載された研究で「この結果は将来の標準理論についての基礎物理実験と精密試験の基礎を築くものだ」と述べた。(c)AFP