鉱山の未浄化水がしみ出るおそれ 埼玉2月24日 20時27分
記録的な大雪の影響で、埼玉県秩父市の鉱山の自家発電装置が故障し、鉱山から出た水の浄化処理ができない状態が続いていることが分かりました。
水には、国の基準のおよそ4倍から5倍の亜鉛や鉄が含まれていて、このままの状態が続くと、近くの川などにしみ出るおそれがあるため、埼玉県や国などが復旧に向けた対応を始めました。
水が浄化できない状態となっているのは、東京に本社がある「ニッチツ」の秩父市中津川にある鉱山施設です。
経済産業省と埼玉県が記者会見をして明らかにしたところによりますと、大雪の影響で施設の自家発電装置が故障し、今月19日ごろからかつて銅や鉛を採掘していた坑道からしみ出てくる水の浄化処理ができない状態になっているということです。
この水には、亜鉛や鉄などの金属成分が含まれていて、このまま処理ができない状態が続くと、来月上旬には容量がいっぱいになり、近くの川などにしみ出る危険性があるということです。
埼玉県などによりますと、亜鉛や鉄の濃度は国の排水基準のおよそ4倍から5倍ですが、川の水は飲み水や農業用水に使われていないため、埼玉県は人の健康には直ちに影響はないと説明しています。
現在、施設は雪崩のおそれがあるとして、関係者は避難していて、埼玉県や国は現地の除雪を行うなど復旧に向けた対応を始めました。
専門家をヘリで現地に派遣へ
この問題で、政府の非常災害対策本部は、24日、経済産業省の担当者を埼玉県に派遣するとともに、発電装置を修理する業者や雪崩に詳しい専門家を25日、警察のヘリコプターで現地に送り、修理が可能かどうかなどを調査することにしています。
また、国土交通省に対して、鉱山の下流に当たる川で水質の監視を強化し、鉱山に通じる県道の除雪作業に協力するよう指示しました。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|