社説
朴政権1年 日韓の融和を急ぎたい(2月24日)
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が就任して丸1年になる。
折から朝鮮戦争で韓国と北朝鮮に生き別れになった離散家族の再会事業が行われている。南北関係を改善する契機にしてもらいたい。
一方、日本とは歴史問題をめぐり冷え切ったままだ。米国が日韓双方に関係改善を促す異例の事態となっている。
安倍晋三首相の靖国神社参拝など日本側にも問題があるのは事実だ。だが各国首脳との会談で日本の歴史認識を持ち出すなど、朴氏の姿勢もかたくなに過ぎないか。
まだ一度も行われていない首脳会談を一日も早く実施すべきだ。両首脳の率直な意見交換から相互理解を深めるのが関係修復の近道である。
韓国経済の回復の歩みは遅く、大統領選では情報機関が違法に朴氏を支援したとの疑惑も晴れていない。そんな中、3年3カ月ぶりの再会事業は外交得点になったようだ。
北朝鮮が対話姿勢を続けるよう交流を進めてほしい。その上で金正恩(キムジョンウン)体制の不安定さが指摘されているからこそ、日米韓は連携を強めなければならない。
日韓は昨年9月に外相会談を行うなど関係修復へ動いていたが、安倍首相の靖国参拝で振り出しに戻ってしまった。
朴氏は、植民地支配と侵略を認めた村山富市首相談話と従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話の継承を求めている。
安倍首相は、両談話を引き継いでいくとはっきり伝えるべきだ。
だが菅義偉官房長官は、慰安婦問題の再検証を検討すると述べた。石原信雄元官房副長官が国会で「事実関係の裏付け調査は行われていない」と答弁したからだ。
政府の正式見解である河野談話は国際社会で定着している。仮に再検証に踏み切れば、韓国側の反発は必至だ。
一方で慰安婦問題をめぐっては、フランスで開かれた漫画祭で韓国政府は企画展を実施した。
竹島問題では島根県主催の「竹島の日」式典に日本政府が内閣府政務官を派遣したことを非難した。
両国ともお互いの国民感情を傷つけ合う負の連鎖に陥っていることを認識すべきだ。
安倍首相は「対話のドアは常にオープンだ」と述べているが、首脳会談を開く雰囲気が醸成されているとは、とても言えない。
互いの努力の積み重ねが信頼関係の再構築につながる。
首相の靖国参拝後、初めての日韓局長会談が行われた。政府対話を続けてトップ会談につなげたい。
朴氏も前向きになってほしい。
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