東通原発:敷地内「F−9断層は活断層の可能性」で一致

毎日新聞 2014年02月24日 18時38分

 ◇残りの断層は意見分かれる

 東北電力東通原発(青森県)の敷地内に活断層がある疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会の有識者調査団は24日の会合で、東北電が今年1月に提出した追加調査の結果を議論した。敷地内にある複数の断層のうち、「F−9断層」について「活断層の可能性がある」との見方で一致したが、それ以外の断層の活動性では意見が分かれた。

 東北電は会合で、敷地内の断層について、地層が水を吸って膨張する「膨潤(ぼうじゅん)」で形成されたとし、活動性はないとの従来主張を維持。これに対し、有識者から「根拠がない」(佐藤比呂志・東京大教授)などと不備の指摘が続き、3人の有識者が活断層の可能性に言及。一方、千葉大の金田平太郎准教授はF−9を除く断層について「活断層とは考えられず、膨潤が大きく関わっている可能性が高い」と東北電の主張に理解を示した。調査団は東北電に資料の追加提出を求め、次回も議論を継続する。

 調査団は2012年12月に最初の現地調査を行い、13年2月には「敷地内にある断層群の多くが活断層である可能性が高い」との表現で活断層と認定する報告書案をまとめた。しかし、東北電が追加調査をして反論。調査団はその結果を確認するため、これまでに3回の現地調査を実施した。【岡田英】

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