福島第1原発:配管の弁、すべて開く…汚染水漏れ

毎日新聞 2014年02月21日 21時28分(最終更新 02月22日 00時04分)

福島第1原発の配管の弁。汚染水漏えい前に開いていることが確認された=東京電力提供
福島第1原発の配管の弁。汚染水漏えい前に開いていることが確認された=東京電力提供

 東京電力福島第1原発で極めて高濃度の汚染水約100トンが漏れた事故で、東電は21日、汚染水貯蔵タンクにつながる三つの弁のうち、「閉まっていた」と発表していた一つの弁が一時的に開いていたと発表した。通常は、汚染水を移送する時以外、すべて閉まっている。今回のトラブルは、弁を誤って開いたことによる人為的なミスだった可能性が強まった。

 ◇人為的ミスか

 東電によると、弁が開いていたのは「H6エリア」と呼ばれるタンク群へ汚染水を流す配管。三つの弁がすべて開くと汚染水がタンクへ送られる。東電は20日、「一つは閉じていた」と説明したが、21日に再調査した結果、一時的にすべて開いていたことが分かった。

 東電は17日から、H6と配管を共有する「Eエリア」のタンクへ汚染水を流す作業をしていた。しかしH6側の三つの弁がいずれも開いていた一方、E側へ流れる弁が閉まっていたため、満杯だったH6のタンクに汚染水が流れ込み、大量にあふれたとみられる。

 漏れる前の19日午前に撮影した弁の写真では、弁を操作する器具が接続されたまま開いており、作業員が何らかの原因で弁を開いたとみられる。一方、事故発覚前後の同日夜から、翌日未明に弁が閉じられた形跡があり、作業員が閉め直した疑いが出ている。

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