川崎市幸区のJR川崎駅付近で京浜東北線の回送電車が工事用車両と衝突して脱線した事故で、同線は24日朝、全線で運転を再開し、始発から平常ダイヤに復旧した。横転した先頭2両は、現場西側の使われていない線路に移された。

 神奈川県警は業務上過失傷害の疑いがあるとみて、工事用車両を操作していた男性運転手(43)や工事の管理者らから事情を聴いている。運転手は「時間を間違え、閉鎖される前の線路に車をのせてしまった」と話しているという。工事管理者らは現場近くで打ち合わせをしていたという。

 工事責任者らは、JR東日本の聴取に「作業開始の指示は出していない」などと説明しているという。

 復旧は夜を徹して続き、先頭2両を大型クレーン3台でつり上げて移動した。JR東日本によると、信号の点検や、試運転で安全を確認して作業を終えたのは24日午前2時27分。始発が川崎駅に着く2時間ほど前だった。

 川崎駅の京浜東北線のホームからは、ブルーシートで覆われた事故車両が見える。横浜まで通勤している会社員、松本訓一(のりかず)さん(48)は「お客さんが乗っていれば、大変なことになっていた。早く復旧してよかった」と話していた。

 事故は23日午前1時ごろあった。23日は蒲田―鶴見間が終日計371本運休し、約22万7千人に影響が出た。