歩道に車突入:名古屋で13人重軽傷「殺すつもりだった」

毎日新聞 2014年02月23日 20時58分(最終更新 02月23日 23時03分)

歩道に乗用車が突っ込んだ現場で被害者の搬送準備をする救急隊員ら=名古屋市中村区名駅で2014年2月23日午後3時、兵藤公治撮影
歩道に乗用車が突っ込んだ現場で被害者の搬送準備をする救急隊員ら=名古屋市中村区名駅で2014年2月23日午後3時、兵藤公治撮影

 23日午後2時15分ごろ、名古屋市中村区名駅1の県道交差点「笹島交差点」で、乗用車が歩道に突っ込み、信号待ちなどをしていた10〜40代の男女計13人を次々とはねた。同市中川区の男性会社員(22)が腰などの骨を折る重傷、ほかの12人は軽傷。車を運転していた同市西区栄生3、無職、大野木(おおのぎ)亮太容疑者(30)が「はね殺すつもりでやった。誰でもよかった」と話したため、愛知県警捜査1課と中村署は、歩行者らを無差別に殺害しようとしたとみて、殺人未遂容疑で現行犯逮捕、同署に特別捜査本部を設置した。

 特捜本部によると、車は交差点を左折する際、歩道(幅約14メートル)に乗り上げ、そのまま約30メートル走行した。目撃者によると、スピードは時速30〜40キロ出ていたという。車は街路樹にぶつかって前部を大破し、停止した。現場にはタイヤ痕があり、特捜本部は今後、スリップした際にできたのか、ブレーキ痕なのか調べる。

 被害者には中学生2人、高校生2人が含まれている。大野木容疑者も頭を打ち、額を切る軽傷。当時、酒に酔ってはいなかったとみられ、特捜本部の調べに対し「悪いことだとは分かっている」との趣旨の話をしているが、反省の言葉はないという。

 大野木容疑者は、歩道に突っ込む約15分前、現場から西約350メートルのレンタカー会社で、免許証などを提示し、事件に使われた車を借りていた。レンタカー会社によると、大野木容疑者に不審な様子はなかったという。

 大野木容疑者の自宅近くの住民らによると、5人家族のうち両親ら4人が最近引っ越し、大野木容疑者は1人暮らしで引きこもり状態だったという。

 現場はJR名古屋駅から南約400メートルの交差点で、周囲にはデパートや家電量販店などが建ち並ぶ繁華街。そばには待ち合わせ場所として有名な巨大マネキン「ナナちゃん人形」があり、多くの買い物客らでにぎわっていた。【三上剛輝、岡大介】

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