アニメ見ながらごろごろしたい

2014-02-22

俺TUEEE系作品の問題点をどう克服するか?


「SAO」や「劣等生」等の主人公が圧倒的な力で敵を捻じ伏せる作品は俺TUEEE系と呼ばれています。
これの定義については主人公が弱くても敗北しなければそうだとする人もいますし、所謂チートハーレムだけをそうだと言う人もいますし人によって多少異なりますが、大凡上で述べたもので通じていると思います。
俺TUEEE系作品では強過ぎる主人公が敵を倒す姿が読者に爽快感を与えてくれますが、主人公が強過ぎる為に緊張感のある戦いや成長を描き難いという問題があります。それ故に逆境を乗り越え努力して勝利することにカタルシスを感じる人達からは批判されることも多いです。この批判から逃れることは相当困難なことでしょうね。

もし「禁書」の上条さんのように苦戦ばかりしていたら俺TUEEEでは無くなってしまいますから、主人公が苦戦する勝つか負けるか分からない緊張感のある戦いと俺TUEEEの両立は容易ではありません。また主人公が周囲と比較しても相当強い状態から始まるので、成長というものを表現するのが難しいです。周囲が主人公より格上か同格であれば主人公が強くなった時に、その成長度合いを周囲との比較により感じられるんですけどね。

こうした問題を見事に解決していたと個人的に感じる作品が「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」です。
主人公の逆廻十六夜は武力知力共にずば抜けていて、並大抵のキャラではその足元にも及びません。まあ十六夜さんよりも格上のキャラもいるのですが、そこは今回の記事では重要ではないので省きます。
話を戻しますが「問題児」では十六夜さんが他の仲間達に比べるとあまりにも強いです。戦いはもう全部あいつ一人でいいんじゃないかなと思えてしまう程に強い。そうなると「SAO」のように主人公のキリトだけが活躍する英雄譚になりそうなものですが、「問題児」は主人公をあえて活躍させないことでそれを回避しています。

「問題児」では主人公が参戦出来ない条件で戦闘が始まったり、主人公一人では対処出来ない大規模戦闘が行われたりと、主人公以外のキャラが戦うしかない場面が多々あります。
戦うといっても仲間は主人公よりも弱いので勝利する為には、様々な工夫を凝らし努力するしかありません。主人公に出番がある時は俺TUEEEの要素が色濃く現れますが、仲間の方に焦点が当たると俺TUEEE系作品に不足がちな努力や苦戦や成長といったものが描かれるところが「問題児」の特徴です。作品ではこの仲間の成長というものを重視しているらしく、仲間である飛鳥と耀は自分の無力さを嘆き強くなろうと決意し、十六夜さんは自分の所属するコミュニティのリーダーを育てようと発破をかけたりします。

俺TUEEE系作品では主人公はその強さを持って全てを解決してしまう超人的な英雄の役割になり易いですが、十六夜さんはそれ以外にも仲間を守り導いていく兄貴や師匠のような役割を担っているんですよね。絶望的な状況を打開したりとここぞという場面で活躍する十六夜さんですが、目立つ舞台にいることよりも裏方に回ることも結構あるので、その分仲間の見せ場が作られやすくなっています。
「問題児」は俺TUEEEの長所を残しながら、その短所を補う形として一つの完成型だと思います。

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