MWC 2014に合わせて行われたMozillaのプレスカンファレンスでは、中国のファブレス企業 Spreadtrum との提携が明らかになりました。SpreadtrumはFirefox OS搭載スマートフォン向けチップセット SC6821 を発表。両社は、わずか25米ドルで購入できるというエントリー向けスマートフォンのリファレンスデザインを提供します。  

Spreadtrumは、生産拠点を持たずに製品を供給する上海のファブレスメーカー。SC6821は、小売価格で25ドル(2600円弱)と安価なFirefox OS搭載スマートフォンを提供するためのチップセットとなります。

SC6821は、ドコモのFOMAなどで採用するW-CDMA方式や、GSMのパケット通信GPRSの拡張版にあたるEDGEに対応。要するに、非常に安価なエントリー向けスマートフォン用のチップセットということ。リファレンスデザインには、WiFiやBluetooth、カメラ機能などが盛り込まれています。

こうしたリファレンスモデルが登場する背景には、スマートフォンが世界的に欲しい人に行き渡り、レイトマジョリティ、つまり普及後期に入ったという側面と、所得の低い新興国の市場にスマートフォンが広がりつつあるという側面があります。

マイクロソフトがWindows Phoneのアップデートで中国市場を狙っているように、Firefox OSも新興国市場向けの数が取れる施策を打ち出しました。国内ではKDDIがFirefox OS搭載スマートフォンを投入すると発表済みですが、日本のような先端市場でどういった切り口で展開するのか注目が集まるところです。海外市場で安価なフィーチャーフォンがそうであるように、もしかしたらコンセプトが明確な、例えばシニア向け、タフネス、キャラクターコラボ、ユニークな形状など、一風変わったものになるのかもしれません。