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[総論]スキルに応じた三つのレベル

2014/02/24
加藤 慶信=日経SYSTEMS (筆者執筆記事一覧
出典:日経SYSTEMS 2013年11月号  p.42
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 自分の名前が紹介され、大きく鼓動する心音を聞きながら、演台の前へと進み出た。気持ちを落ち着かせようと、顔をうつむけたまま深呼吸し、それから顔を上げた。目に飛び込んできたのは100人ほどの無表情な顔。そのすべてが自分の方を向いていた。突き刺すような視線を感じた瞬間、体はガチガチになった。声は思うように出てこない。何をしゃべったのか記憶に残らないほどの緊張状態のまま、プレゼンテーションは終わった。

 これは、ある人が大勢の前で初めてプレゼンテーションしたときの体験談である。同じように緊張から思うように話せなかった経験を持つ読者はいるのではないだろうか。だが、ITエンジニアにとって、プレゼンテーションは避けて通れない。システム提案やユーザー向け説明会など多くの機会がある。「プレゼンテーションがうまくなりたい」との思いはあるだろう。

 そこで本特集では、「プレゼンテーションがうまい」と言われるITエンジニアを取材し、「一歩先を行く」ためのプレゼンテーションのコツをまとめた。プレゼンテーションのスキルに応じて三つのレベルに分けている。

 「プレゼンテーションが苦手で、できることならやりたくない」と考えているITエンジニアは、レベル1の「苦手を克服する」から読み進めてほしい。苦手意識を克服するための心構えや資料作りのノウハウを取得できる。どれも簡単で、「試してみようか」と思えるはずだ。

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