【モスクワ=石川陽平】政治危機が続いたウクライナは今回の「政変」により、再び親欧路線に国家の針路を転じる。親欧派の野党勢力が権力の中枢を握り、ヤヌコビッチ政権が凍結した欧州連合(EU)と包括的に関係を強める連合協定調印の早期実現を目指す構えだ。人口4500万の旧ソ連第2の国がロシアからEUの影響下に移り、東欧の地政図が塗り替わる可能性が高まった。
「ウクライナは近い将来、EUの加盟国になり、すべてが変わる」。ヤヌコビッチ大統領の政敵で、22日に釈放されたティモシェンコ元首相は首都キエフ中心部で「政権崩壊」を祝う群衆に表明した。政治、経済改革が遅れるウクライナのEU加盟への道のりは険しいが、国の基本方針は明確に親欧路線に転換すると宣言した。
反政権デモの引き金を引いたのは、政権による2013年11月のEU連合協定の調印手続きの凍結だった。親欧派のキエフなど中部や西部で住民が猛反発。10万人規模のデモと警官隊との衝突の末、ロシアに接近していた政権を事実上崩壊させた。親欧への回帰は、野党勢力の公約になる。
親ロか親欧か――。EUとロシアに挟まれたウクライナは1991年の独立以来、国家の針路を巡る重大な選択を迫られてきた。今回の「政変」で答えが出た形になる。ヤヌコビッチ政権の支持基盤で、親ロ派が多数を占める東・南部が反発し、国家分裂の動きが強まるかどうかが焦点だ。
親ロ派の有力政治家は相次ぎロシアなどに逃亡した。住民の多くも「内戦」は避けたいのが本音だ。23日は野党勢力との衝突や抵抗の動きは小規模にとどまっている。
隣国の混乱を恐れるロシアも国家統一を支持する。野党勢力が親ロ派住民に融和的な姿勢を示していけば、分裂の危機は収束に向かうとの見方が出ている。
ヤヌコビッチ、EU、ティモシェンコ
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