はじめまして、佐村河内守と申します。
世間をお騒がせしておりまして、恐縮です。一連の騒動については、本当に申し訳ないという気持ちしかありません。
とにかくまずお詫びしなければと、会見を開きたい気持ちにも変わりはないのですが、現在いろいろあって代理人もおらず、仕切って頂く方が誰もいなくて、実現になかなか至らない状況です。
出版プロデューサーの高須基仁氏から、ぜひ仕切らせて欲しいとのお話も頂きましたが、「ウチから本を出すのが条件」とのことで、今はまだそんな心境になく、お断わり致しました。
とにかく、不慣れなことばかりですが、事務的なことは置いておいて、実際に会見になった際のシチュエーションについてあれこれ考えている段階です。でもとにかく不安しかありません。
一番気がかりなのは、基本的なことですが、「質疑応答をどうしようか」という点です。私が登壇し、お詫びと今の心境などを話した後は、すぐに報道陣の皆さまから質問責めとなると思うのですが、その際、本当にどうしたらいいものかと。一応、横浜市の担当者の方と話した際は、手話の人を交えてという形だったのですが。やはりいきなりというのはなかなか踏ん切りがつかなくて。
でもお詫びの記者会見となると、皆さん容赦なく質問をしてくるでしょうし、それをいちいち手話で拾っていくというのも火に油です。逆にもう「ハイ、じゃ次の方」って丸聞こえ状態でやってしまうのもそれはそれであまりに滑稽で、何とも決心がつきません。
記者会見のことを考えるともう辛くて辛くて。このままではストレス性難聴になってしまいそうです。私はいったい、どうしたらいいのでしょうか。お答えよろしくお願いします。
お悩みごもっともかと思います。
あれだけ絵に描いたようなカリスマを、攻めで演じていただけに、今となってはその全てが嘲笑の的となり、それこそ耳鳴りのように世間の笑い声が耳元に届いているかと存じます。
でも、どんなレベルの謝罪も「申し訳ありませんでした」とブログやツイッターに一言上げて済ませてしまう風潮の中、「謝罪会見します」という姿勢は逆に天晴れではないかと。
「市中引き回し」になるのをわかっていながらあえて出てくる。なかなかできることではありません。
しかしながら、今ちょっと心配なのは、会見をするすると言っておいて「仕切る人がいない」「まだ準備が出来ていない」と、段々フェードアウトする気なのではないか、という可能性が感じられる点です。
仕切りの件は、その気になれば、もう一人別の「高須」という有名な病院長さんがいて、この人に頼ればほとんどのことは金で解決してくれますので、本気でやるつもりなら一度相談してみることをおすすめします。
あとは会見の内容の詰めですね。どうしても「ちょっとは聞こえない」というスタンスを最後の砦として残したい、ということになると、横浜市役所の人と話した時と同じように、手話の担当者を用意しなければなりません。しかし「佐村河内氏の会見に同席して通訳!」となると、手話をされる方にまで類が及ぶ可能性があります。それも会見実現に向けての難点ですね。この件に関しては、南アフリカのマンデラ氏追悼式で手話通訳をしていた方にお願いすれば、すべて丸く収まるかと存じます。彼と一緒に出てきた時点で、取材陣の方でもあうんの呼吸が生まれるかと。
あとはもう、「さあパーティを始めよう、大きい魚、小さい魚、段ボール箱!」の手話に乗せて、あなたお得意のエンターテインメント性に賭けてしまうのが吉です。
この会見は、間違いなく、ご自身の人生最後の大きな花火となるでしょう。フィナーレにふさわしい、漆黒の闇に浮かぶ大輪の徒花を、欺いていた我々にしっかり見せて、ぜひお気持ちにけじめをつけてください。
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■「毒出し」コラムニスト今井舞さんが、有名人の架空のお悩み「ウソうだん」を勝手に考え、勝手に答える「ウソうだん室」。掲載は隔週金曜日に、しっかりする予定です。
週刊誌などを中心に活躍する「毒出し」コラムニスト。鋭い観察眼、深い洞察力の辛口な人物・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。