日本には「親米派」「親中派」と呼ばれる政治家は多いが、「日本派」といえる政治家は本当に少ない。これは国家にとって極めて深刻な問題だといえる。
村山富市元首相は先日訪韓し、韓国国会での講演で、ずさんな聞き取り調査だけを根拠に、慰安婦の強制連行を認めた「河野談話」を全面支持し、談話見直しの動きについて「恥ずかしい限りだ」と語った。
だが、米国立公文書館に保管されている、1944年に米軍が朝鮮人慰安婦を尋問した報告書には「強制連行ではなく、志願して雇用され、高給をもらい、日本兵とピクニックやスポーツをしたりして、借入金の返済が終わると国に帰ることもでき、日本兵と結婚する者もいた」とある。「慰安婦」は「戦時売春婦」だったのである。
鳩山由紀夫元首相は、普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外、できれば国外」と発言して日米関係を傷付けたうえ、「日本列島は日本人だけのものではない」「日米中は正三角形」などと発言し、中国の増長を招いた。政界引退後も、沖縄県・尖閣諸島について「係争地であることを認めるべきだ」と安倍晋三政権を批判し、中国を喜ばせている。
政治家が国内で対立するのは構わない。政策や政治手法で激しくやり合うこともあるだろう。ただ、いったん国外に出たら自国の国益に沿って行動するのが世界の常識だが、日本の政治家にはそれが通用しない。
韓国も中国も、村山氏や鳩山氏が「日本の元首相」という肩書を持ち、自国に都合のいい発言を簡単に披露してくれるから招待している。つまり、「反日外交」に利用しているのだ。第一線を退いて寂しかったのかもしれないが、これでは「売国的行為」と言われても仕方ない。