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【政治】

解釈改憲に強い懸念 河野洋平氏、首相の手法非難

 河野洋平元衆院議長(77)が本紙の単独インタビューに応じ、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使を容認するための解釈改憲について、国会での議論を経ずに閣議決定する方針を示したことに関し「相当不安を感じている」と強い懸念を示した。

 首相は、自らが設置した有識者懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が報告書をまとめた後に政府与党内で協議した上、憲法解釈の変更を閣議決定する手順を国会で説明している。

 これについて河野氏は「安保法制懇は私的諮問機関だ。メンバーは首相が選んでおり、だれの(第三者の)同意も必要としていない。閣議決定するからいいというのも、相当違う。閣僚も首相が選んでいるからだ」と批判した。

 さらに河野氏は「首相は『最高の責任者は私だ』と内閣法制局長官を抑えようとしている。これまで積み重ねてきた議論を、私的諮問機関の結論で簡単に乗り越えるのはいかがなものか」と、法的根拠のない機関が事実上、政策決定を担う手法を非難した。

 首相は今国会で「政府として検討を進め、与党でも調整し、最終的なものを閣議決定していく方向になる」(20日)「改憲でなくても解釈変更で可能だ」(5日)などと、再三にわたり解釈改憲への意欲を示している。こうした首相の発言は、「集団的自衛権は国際法上保有しているが、憲法上行使は許されない」と解釈してきた歴代政権と、この解釈を担ってきた内閣法制局長官の答弁と矛盾する。

 (中日新聞)

 

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