リベサヨのちょうど正反対
「リベサヨ」という言葉は、私の知る限り私が作った造語であって、その意味は、西欧的な「リベラルな右派 対 ソーシャルな左派」という世界共通の対立図式を当然の前提としつつ、肝心要の「ソーシャル」が希薄になった、というより欠如した左派、自らをリベラルと自称したがる奇妙な「左派」な人々を、揶揄する趣旨であったことは、本ブログで繰り返し述べてきたところですが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-6bcb.html(リベサヨって、リベラル左派の略だったの?)
そういう奇妙な「リベサヨ」のちょうど正反対にあたるのが、この『SAPIO』3月号の特集記事なんでしょうかね。
http://www.shogakukan.co.jp/magazines/detail/_sbook_1409703114
3 韓国 生活実態 糞尿まみれの共同トイレ、裸足にコートの少年 「漢江の奇跡」の成れの果ては世界一の貧困率だった/本誌編集部
4 中国 住宅事情 不動産バブル・再開発で地上の住まいを追われ、カビだらけの地下に暮らす200万人の「ネズミ族」/西谷格
5 中国・韓国 年金 導入わずか10年で早くも崩壊の危機に瀕する 中韓年金制度は国家破綻の時限爆弾だ/本誌編集部
6 中国・韓国 医療 子供が重病でも見捨てるしかない“カネがないなら死ぬ”医療荒野の悲惨/本誌編集部
7 韓国 援助 国連調査では人道支援は「世界の0.17%」 国際貢献だけは日本と張り合わない「心」の貧しさ/藤原修平
8 中国 人権 腎臓650万円、心臓なら1500万円也 臓器闇市場に消える貧しき“ドナー”の末路/本誌編集部・・・
どれもこれも、まことに「ソーシャル」な問題意識に満ちあふれた記事です。これを訳して西欧人に見せて、この雑誌は左翼雑誌と思うか、右翼雑誌と思うか、と聞けば、100人中100人までが、口をそろえて、「なんとすばらしい左翼雑誌だ!自国の可哀想な人々だけではなく、近隣諸国の貧困、社会問題にも関心を注ぎ、国境を越えた連帯を広げようとしているじゃないか!」というでしょう。
その人に、「いや実は、結構有名な右翼雑誌であって、こういう特集をするのも、『やあい支那朝鮮のばあか』と罵って気持ちよくなるための「おかず」に過ぎないんだ」と正直に伝えたら、頭を抱えてしまうでしょうね。
ソーシャルが欠如してしまうまでに定向進化してしまった特殊日本的リベサヨのちょうど正反対の地点に、そのリベサヨ的感覚を憎むあまり、もともと何の関心すらなかったソーシャルな問題意識をぎりぎりまで追求してしまうネトウヨな人々が発生するという、このアイロニーは、しかし、西欧人には全く理解を絶する現象でしょう。
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