マカオの大観衆も村田のダイナミックなKOを大きな歓声で歓迎した。33戦のキャリアを誇るナシメントに4回、右ストレートから連打を集中。サンドバッグ状態にしてキャンバスに沈め、五輪金メダリストのパワーを見せつけた。プロモーターのボブ・アラム氏は「頭がいい。まじめで練習も真剣。日本人は誇りを持っていい」とまで言い切った。
デビュー戦は無難な戦いだった。第2戦はちょっとてこずったが、初めて外国人ボクサーに勝った。そしてマカオで海外デビュー。順調に階段を上がり、周囲の信頼をまた厚くした。課題だったジャブもよく出た。2回には体を沈めて右ストレートをボディーに打ち込んだ。倒しにいった3回には右のショートアッパーでダウンを奪い、鋭い踏み込みでKO寸前まで追い込んだ。
「村田はアグレッシブで米国人の多くが好む試合をする」とアラム氏。アジアのスーパースター、マニー・パッキャオ(フィリピン)と同じリングで見せた村田のパフォーマンス。マカオでも絵になるところを見せつけた。 (格闘技評論家)
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