日本消費者協会(東京・千代田)の「葬儀についてのアンケート調査」の最新結果がまとまった。葬儀のコンパクト化でかかる費用の全国平均額は188万9000円と前回(2010年)より11万円減ったものの、金額の個人差や地域差が依然大きい。葬儀の形式や資金の工面について、事前準備は必要だろう。
調査は3~4年に1度のペースで実施され、今回が10回目。平均額は第7回(03年)の236万円をピークに減少している。通夜や告別式をしない火葬のみの「直葬」、身内中心の「家族葬」といった簡素な葬儀の増加を映した。結果報告を兼ねたシンポジウムで登壇した葬儀事業者によると、東京都内では直葬が約3割で家族葬が約5割。周知して葬儀をする人は2~3割に過ぎないようだ。
そのため、個々の金額のばらつきが大きく、関係者の間では平均額は「やや高い」との見方がある。ただし、それで遺族の金銭的な負担が減っているとはいえないようだ。「会葬者が少なければ香典の金額が減る。その分、遺族の持ち出しが増える」と、葬儀や墓に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどり主任研究員は指摘する。資金準備の必要性は増しているといえる。