妊婦が風疹に感染し、赤ちゃんの耳や心臓などに障害が出る先天性風疹症候群(CRS)の報告が昨年1年間で31人にのぼったことが14日、国立感染症研究所のまとめでわかった。統計のある1999年以来で最も多く、これまで最多だった2004年の10人に比べ、3倍にのぼった。

 都道府県別では、東京13人、大阪5人、神奈川3人、埼玉、愛知、三重、和歌山が各2人、栃木、千葉が各1人。CRSは妊婦が妊娠初期に風疹にかかり、胎児にうつることで起こる。昨年、風疹に感染した患者は前年の6倍の1万4千人超と大流行し、CRSの増加が心配されていた。

 CRSの多くは出産後に判明するため、今後も報告が続く可能性がある。昨年の風疹患者のうち6割以上が20~40代の男性。制度の違いで多くが予防接種を受けていない世代とされる。