■米にしがみつくか、離れるか
ワシントンで見られる安倍氏への嫌悪感は、決して普遍的ではない。ある意味、安倍氏はまさに医師、メンターとしての米国が命じた日本の首相そのものだ。安倍氏は日本経済を浮揚させる計画を持っているし、沖縄の米海兵隊基地の問題を解決する望みを多少なりとももたらした、数年ぶりの指導者でもある。長年、日本は国防費に国内総生産(GDP)比1%という上限を自ら課してきたが、安倍氏は国防費を増額する意思を持っている。
だが、これらの政策には代償が伴う。ワシントンの多くの人が不快に感じる修正主義的なナショナリズムである。
「中国が成長するにつれ、日本が中国の力に不安を感じる理由はますます増え、日本を守る米国の意思への信頼はますます薄れていく」とホワイト氏は言う。同氏いわく、米国は日本の中核利益を守ることを確約するか、さもなくば日本が「1945年以降に放棄した戦略的な独立性」を取り戻すのを助けなければならない。このジレンマに対して日本が持つ答えは、一層強く米国にしがみつくか、米国から離れるか――に行き着く。
By David Pilling
(2014年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
(翻訳協力 JBpress)
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