【ソウル=加藤達也】ソチ五輪を最後に現役からの引退を宣言し、金メダルで有終の美を飾ることが期待されていた女子フィギュアスケートのキム・ヨナ(韓国)が「銀」に終わったことを受け、韓国の放送各局は審判への不信感や不満を伝え始めた。
生中継した韓国MBCは、演技終了後も録画映像を繰り返し放映。実況担当の男性アナウンサーは「完璧な演技だったが、キム・ヨナの得点評価がロシア選手よりもこれほど低いのは理解ができない」と繰り返し、演技解説の女性も、審判への不満を繰り返し表明した。
公共放送のKBSは、演技結果を伝えた後、「キム・ヨナ選手はあまり気にしていないと言っていたが、外国メディアが納得できないという反応を見せている」と海外メディアの反応を伝えた。
KBSは、米NBCが競技終了直後に、公式ツイッターで「この結果に同意しますか」と書き込んだとしたほか、米スポーツ専門チャンネルESPNが、ホームページに「ホームアドバンテージ(開催国利益)」と掲載したことを紹介。
KBSはまた、米紙USAトゥデイが「ホームアドバンテージでスケーターが利益を得るのは初めてではない」と指摘したと伝えたうえで、仏AFP通信や英BBC放送の報道を引用して「判定に強い疑問を提起している」と指摘。判定への不信感が韓国だけのものではないことを強調した。
KBSはさらに、かつて五輪フィギュアで活躍したカタリナ・ビット氏が「理解できない結果について討論なしに通り過ぎてはだめだ」と述べたと伝えた。