東京女子医科大学病院(東京都新宿区)での埋め込み型補助人工心臓「エバハート」の治験をめぐり、埋め込み後に死亡した東京都内の女性(当時41)の遺族が大学側に約3100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は20日、約860万円の支払いを大学側に命じた。菅野雅之裁判長は「本来は治験に参加できない患者なのに手術の結果、死亡した」と認めた。

 判決によると、女性は2007年3月、治験で埋め込み手術を受けたが、脳内出血を発症、08年10月に死亡した。小柄な患者に埋め込むと周辺の臓器を圧迫して合併症を起こす恐れがある。このため計画では、体表面積が1・4平方メートル未満の患者は「参加できない」と決められていた。だが、女性の手術前日の体表面積は1・38平方メートルだった。

 判決は「治験は人体への安全性が確認されておらず、計画はより厳格に解釈するべきだ」とし、手術は計画違反だと指摘。死因の脳内出血は埋め込み手術によるものと結論づけた。

 大学側は「実施計画では、入院時のデータの使用も認められている」とし、女性の入院時(06年5月)の体表面積は基準を上回っていたと主張していた。