図書館:「アンネ」193冊次々破損 都内3区で

毎日新聞 2014年02月21日 07時30分(最終更新 02月21日 08時20分)

「アンネの日記」
「アンネの日記」

 世界的ベストセラー「アンネの日記」の著者、アンネ・フランク(1929〜45)の関連図書のページが東京都内の公立図書館で次々と破られ、少なくとも練馬、新宿、杉並の3区で計193冊の被害が確認された。さらに増える可能性もあり、図書館側は器物損壊に当たるとして警視庁に被害届を出すなど警戒している。

 練馬区立光が丘図書館によると、1月23日に利用者からアンネに関する本が破れているとの連絡があった。調査の結果、区立9館で計41冊の被害が判明。アンネの日記や関連図書のページや表紙が破り取られていた。区は今月7日に警察に被害届を出したが「本を撤去することはしたくない」と貸し出しや閲覧は通常通り行っている。

 また新宿区立中央図書館によると、今月6日、23区の区立中央図書館で構成する「特別区図書館長会」から注意喚起のメールが配信された。新宿区内の3館でも計39冊に被害が見つかった。同区は関連書籍を書架ではなくカウンターに置き、閲覧や貸し出しをしている。杉並区でも複数館で計113冊に破損が見つかった。

 ユダヤ系ドイツ人の少女だったアンネは第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害から逃れるため隠れ家で生活。日記を書き続けたが、その後強制収容所に入れられ15歳で亡くなった。【山本浩資】

最新写真特集