(2014年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ウクライナ・キエフの独立広場に入ってきた警官隊と衝突するデモ参加者〔AFPBB News〕
ウクライナの危機は19日、制御不能になったように見え、旧ソ連を構成していた共和国が、1991年の独立以後のみならず、過去数十年間で最も危険な時に直面している。
反政府運動を繰り広げるデモ隊が、機動隊による2度目の夜間攻撃に反撃する武器としてキエフの目抜き通りフレシチャーティク大通りの石畳を剥がしている間、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、世界は「ウクライナ内戦の最初の数時間」を目撃しているのかもしれないと警告した。
このような全面的な紛争に突入する可能性は依然として低いが、暴力がさらに多くの人命を奪う可能性は大いにある。
打ち砕かれた平和的解決への望み
「内戦には多くの種類がある。よく引き合いに出されるのはユーゴスラビアだ」。欧州外交評議会(ECFR)のウクライナ専門家で、キエフを訪問中のアンドリュー・ウィルソン氏はこう言う。「明らかにそうした状態にはほど遠い。ユーゴスラビアでは、あらゆるところで抑圧があり、古くからの民族の力、市民軍が見られた。だが明らかに、ウクライナでは既に市民紛争が起きている」
2月19日に抗議者たちと警官隊との間で起きた激しい衝突や、それに続く、キエフ中心部の広場で3カ月近く続く抗議者たちの仮設キャンプに対する機動隊の急襲は、1カ月前に勃発した市街戦の再開では済まない事態だった。
一連の衝突は、3週間に及ぶ協議の後で平和的解決の望みを打ち砕いただけでなく、死者の数が今回数十人に増えたことで、対立を新たな局面に移行させた。
ビクトル・ヤヌコビッチ大統領率いる政府の支持者たちも、野党勢力の支持者たちも、ここ数週間で形になってきた潜在的な妥協に合意することで、ウクライナが瀬戸際から立ち直ることはまだ可能だと言ってきた。
「最も明らかな解決策は、力の均衡を取り戻し、連立政権を発足させ、大統領の権限を制限することだ」と政治アナリストのミハイロ・ポグリンビンスキー氏は言う。「この国はもはや1人の人間の手中にこれほど集中した力を持つべきではない」
それを達成する最も手っ取り早い方法は、野党が強く求めてきたように、大統領の権限を制限し、議会の権限を高めたウクライナの2004年憲法――2010年にヤヌコビッチ大統領の下で廃止された――を復活させることだろう。