So-net無料ブログ作成
検索選択

2月20日(木) 安倍首相の本音を代弁している「お仲間」や側近たちの発言 [歴史認識]

 NHKの籾井会長や百田経営委員などの「お仲間」たちに続いて、衛藤晟一首相補佐官や萩生田光一総裁特別補佐などの側近たちの発言が問題になっています。いずれも安倍首相の靖国参拝を弁護しており、これに「失望」した米国への強い反発をにじませたものです。

 今日の『朝日新聞』一面には、「『失望』の応酬 きしむ日米」という見だしが大きく出ていました。その横には「首相の側近、動画で米批判」とあります。
 衛藤晟一首相補佐官が、安倍首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した米政府に対して、動画サイト「ユーチューブ」で「むしろわれわれのほうが失望だ」と批判していたことが分かったからです。
 あわてた菅官房長官は記者会見で「政府の見解ではない」と述べ、ただちに動画を削除させるよう指示しました。衛藤さんは当初、「なにが問題なのか」と突っぱねていたそうですが、菅さんから電話で注意を受けると「政府見解だと誤解を与える」として発言を撤回し、動画も削除しました。

 首相側近によるこのような米側の失望表明への反発はこれまでもありました。先月も、萩生田光一総裁特別補佐が講演で「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない」と反論していたからです。
 また、麻生太郎副総理は昨日の衆院予算委員会で靖国神社参拝に対する海外の反応について「外務省に正式に抗議が来たとかいう話を、私どもは聞いたことがない」と答弁し、日本として中国韓国から正式な抗議を受けていないとの認識を示しました。しかし、実際には、中国や韓国からはそれぞれの駐日大使が参拝当日に外務省を訪れて斎木事務次官に抗議しており、北京ソウルでも正式な抗議を受けています。
 さらに、安倍晋三首相の経済ブレーンである本田悦朗内閣官房参与は米紙ウォールストリート・ジャーナルの電子版で、米艦に体当たりした神風特攻隊について「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある。だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったのだ」と語り、本田さんは「第2次大戦中の神風特攻隊の『自己犠牲』について語りながら、涙ぐんだ」そうです。また、「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」として、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と語り、「本田氏はアベノミクスの背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしない。日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと語った」とも伝えています。

 NHKの百田尚樹経営委員も、本日の『朝日新聞』に掲載されたインタビュー記事で、安倍首相の靖国神社参拝について「その国のために戦って命を落とした人に尊崇の念を表す行為は各国の首脳が皆している」と賛意を示しています。しかし、靖国神社には「命を落とさせた」A級戦犯も葬られているのであり、戦争犯罪人に「尊崇の念を表す行為」をしている首脳などどこにもいません。
 首相という公職にある人物が特定の宗教施設に参拝し、しかもそこは侵略戦争を美化して戦争犯罪人を葬っている場所です。「その国のために戦って命を落とした人」だけを祀っている無宗教の施設ではありません。
 このような問題があることを百田さんは知らないのでしょうか。それとも、知っていて誤魔化しているのでしょうか。

 これらの発言によって表明されている反発や弁解は全て安倍首相自身のものにほかなりません。もし違うのであれば、きちんと発言の内容を否定し、きっぱりと発言した人物を解任したり処分したりするべきです。
 そうしなければ、「日米のきしみ」はさらに大きなものとなるでしょう。日米同盟の強化をめざす安倍首相が、自身の行動と「お仲間」や側近の言動によって日米両国の不信感を増幅させ日米同盟のひずみを拡大しているとは、何とも皮肉な構図だというしかありません。

nice!(2)  トラックバック(0) 

nice! 2

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

関連リンク