将来はサムスンの収益の柱になると期待されたファウンドリー事業も、アップルとの訴訟によって、当初の目論見がずれてきており、暗雲が立ち込めています。当初、サムスンは、アップルのSoCの製造を行うはずでした。しかし、アップルとの訴訟問題で、将来の受注が危ぶまれています。TSMCの技術がアップルに認定され、供給力を確保できた時点で、サムスンに発注はこなくなるでしょう。
第3に、新しいデバイスの技術やアプリケーションが日本の電機メーカーからまったく出てこなくなり、自社で開発した新しいデバイスを自社の最終製品に搭載しなければならなくなったことです。
サムスンは、これまでの「キャッチアップ型のものづくり」から、「開発型ものづくり」に移行せざるをえなくなったのです。サムスンは、まさにこれまでに体験したことのない、技術や最終製品の生みと育ての苦しみを経験しています。
先にも述べましたが、有機EL事業がそのよい例です。有機ELディスプレーは、サムスンが自社のモバイル端末で利用する以外に大きく広がっていません。アップルは、すでに高精細の液晶パネルをディスプレーに採用していますし、サムスン1社からしか調達することのできない有機ELディスプレーを採用することはしないでしょう。
有機ELディスプレーについてはサムスン内部でも、テレビどころかモバイル端末にも必要ないのではないかという議論も出てきているようです。サムスンのデバイス事業の方向性も、再び議論されています。