コウモリが本格的にブログを始めて3ヶ月。
ありがたいことに、記事に対してたくさんのご意見を頂けるようになってきました。
そうして幾つものコメントを眺めているうちに、面白い現象に気付きました。
ツィッターとはてブでは、全くコメントの毛色が違うのです。
ここでは、面白いサンプルを2つ挙げてみます。
そこから生まれた疑問を解決するために詳細に書いていますが、
長文が苦手な方は、7のまとめに飛ぶのがオススメです。
目次
1、サンプル1
2、サンプル2
3、なぜ、両極端なコメントが生まれるのか?
4、なぜ、「はてブのコメント」はネガティブ?
5、TwitterコメントのWhom
6、hatebuコメントのWhom
7、まとめの図解
8、提案:影響タブとかどうすか?
9、余談:紹介系コメントの文法
※約7000字あります。長文注意。
※サラっと読みたい方は、太字にした1・2・7の項目だけ読むのがオススメ。
サンプル1
記事
→喧嘩のあとの仲直り。伝えるために考えること
まずは、この記事に頂いたコメントを見てみましょう。
説明
前者は、twitterだけでコメントをくれた方。
後者は、hatenaだけでコメントをくれた方です。
あ。後者のコメントに対して、漢字が7連続する「記事滅茶苦茶読」という部分が読みにくいブーメラン乙、とツッコミを入れるのはナシでお願いしますm_ _m コウモリは、そういうつまらないツッコミをしたいわけじゃない。
見てほしいのは、コメントの中身です。
面白いと思いませんか? 意見が真っ二つ!
こういうのを見ると、コウモリはココロ踊ります^^ わくわく!
もうひとつ、サンプルを見てみましょう。
サンプル2
記事
→なぜヒトは誤解するのか、合コンを例に図解した
次は、こういう記事についたコメント。
説明
前者は、twitterだけでコメントをくれた方。
後者は、hatena/twitter連携でコメントをくれた方です。
血沸き、肉躍る。
まさにこういう両極端なコメントを見つけた瞬間のコウモリがそうです!
うっひょー!!! うひょひょーーーー(ゝω・)v
この面白い現象を見てコウモリは、ふたつのことを考えました。
①マクロ視点:なぜ、このように両極端なコメントが生まれるのか。
②ミクロ視点:今後、自分のブログや記事をどうしていくべきか。
このうち、マクロな視点の疑問①について考えたことを書くのが、この記事です。
いっぽう、ミクロな視点の疑問②については、いま進めている「コトバを書く・Whomシリーズ」で解答します。両極端な意見を言われたときの考え方を知りたいというヒトは、そちらを参考にしてみてください。
シリーズ1回→そのコトバ、誰のために書いてますか?
シリーズ2回→あなたのコトバは何色?
ではここから、マクロ視点:なぜ両極端なコメントが生まれるのか、について考えます。
3、なぜ、両極端なコメントが生まれるのか
まず、端的な答えを言います。
「世界には、いろんなヒトがいて、いろんな思いを持って暮らしているから」です。
当たり前ー(ゝω・)v
けれども。
いま紹介してきたように、twitterではプラス評価、hatenaではマイナス評価に偏っているような気もします。実際に、「はてな≒ネガコメ」のイメージをお持ちの方も多いようです。*1
それは一体、なぜでしょうか。
なぜ「はてブ」では、twitterに比べてネガティブなコメントが多いのか。それが今回の本題です。
4、なぜ、「はてブのコメント」はネガティブ?
間違った答え
この疑問に対して、このように答えるヒトがいます。
はてなブックマークユーザの資料を見てみろ。
「9割が男性、3割が年収700万以上」らしいぞ。(2011調査)
つまり、「はてな」のサービスを使っているユーザーは、ネットオタクで高学歴・高収入なコミュ障で、他人を見下すことでしか心理収入を得られない精神貧乏な奴らなんだ。
いったい誰でしょうね、こういう失礼なことを言うヒトは。
その上、「バカはてな民」とまで罵る記事もありました。
→2014新春はてブ・はてな村のまとめ
はてな民を愚弄するこのような意見に対して、「はてな」をこよなく愛するコウモリは、誓ってNOだと宣言します。
『はてな民を、バカにするんじゃない!!!』
―――すべて人間は、ひとしくバカなのだから。
もともとすべての人間がバカなんだから、たとえメディアが何であろうが、そのユーザーの性質に還元しちゃったら話はオシマイでしょう。何も進まない、何も産まない、つまんない意見しか出てこない。
バカッターにバカはてな民。そんな言い方をするヒトこそ、本物のバカなんだと思います。
正しい答えはこれだ!
それでは、本物のバカであるコウモリが考えた答えを言います。
なぜ、はてブでは、ネガティブなコメントが多いのか。
それは、「ツィッター」と「はてブ」では、コトバの宛先が違うからです。
5W1Hで言えば、Whomが圧倒的に違う。
どういうことか。
「ツィッター」と「はてブ」、それぞれに説明します。
5、TwitterコメントのWhom
ツィッターで記事のリンクを付けてコメントするときは、「フォロワー」に向けてコトバを発していますよね?
そのコトバの宛先である「フォロワー」とは、多くの場合、「まだ記事を読んだことがないヒト」を想定しているのではないでしょうか。
もちろん、記事を読んだことがあるフォロワーもいるでしょうし、そういうヒトに向けて書くこともあるでしょう。けれども、コウモリが言いたいのは「その比率」なのです。ツィッターでは、「まだ記事を読んだことがないヒトに向けて、紹介する」。それが一番の目的になることが多いのではないでしょうか。
紹介系のコメント
例えばコウモリが記事を紹介したいときは、こういうコメントを付けます。
面白かったー!/ 「はあちゅう」氏が勧める、ふくらはぎマッサージ。元ネタらしき本を見つけて衝撃を受けた筆者は…/きままのきまま屋
こういう「続きが気になる系」の紹介コメントは、かなりクリック率が高い。いろんなヒトに、記事リンクを踏んでもらえる可能性があります。
そして断言します。コウモリがはてなブックマークを本格的に使うようになってこの3ヶ月、今まで見てきたはてブのコメントで、「こういうコメント」を付けるヒトは、1人も見ませんでした。
はてブでは、紹介系のコメントがない?
面白いことなので、繰り返します。
『紹介系の表現テクニックを使ったコメントを、1つも見ませんでした』。
あるいは、こう言った方が正確かもしれません。
『紹介系の表現テクニックを使ったコメントは、1つも記憶に残っていません』。
「はてな」というサービスは、コトバを使うことに長けた高等知民が集う場所です。それにもかかわらず、記事を紹介しクリック率を上げるための、ごくごく単純な表現技法を見かけることがほとんどない。
そうです。答えは、ここにあります。もうほとんど答えは見えていますが、ゆっくり見ていきましょう。今度は、「はてブ」のwhom。
6、hatebuコメントのWhom
先ほども紹介した記事を書いたバカは、「はてブの機能」をいくつかに分類しています。
→2014新春はてブ・はてな村のまとめ
その分類を、宛先(Whom)を強調して言い換えてみましょう。
①保存:「自分に向けたブックマーク」
②交流:「もう記事を読んだ読者に向けたブックマーク」
③交流:「その記事を書いた筆者に向けたブックマーク」
④分配:「まだ記事を読んでない読者に向けたブックマーク」
はてブのコメントで多いのは?
その中でも、もっとも多い比率を占めると思われるのが、①自分向け、です。ただしこれは「無言ブクマ」、つまりコメントなしでのブックマークというカタチで現れることが多いと思います。
そのため、ブクマコメントの中で、実質的にもっとも多い比率を占めるのは、②記事を読んだ読者向け、ではないでしょうか。これは、「スター目当てのコメント」というカタチで現れることが多いと思います。
次に、ファンが多い、信頼度が高い、あるいは筆者との交流があるブログであれば、③記事の筆者向け、というカタチもあるのでしょうが、比率としてはかなり少ない。コウモリが最近見た中では、こういうエントリに付いたコメントがそうです。
→パソコンを買い換えたら寒くてブログ更新できなくなりました。 - 情報の海の漂流者
コメントから、id:fut573さんへの信頼がうかがえます。(風邪に気を付けてー^^)
そして先ほども言ったとおり、④記事紹介、のコメントはかなり少ないように思われます。あったとしても、先ほどのような「紹介だけに特化したテクニック」は使われない。本当にごく稀に、分配・紹介系のコメントが付くこともありますが、ほとんど記憶に残ることはありません。
はてブというサービスの利用形態
そう。紹介系のコメントは、記憶に残らない。それは、「読む前のヒト向け」のコトバだからです。はてなブックマークというサービスは、記事を読み終わった後で「他の人の感想も知りたい」とコメントを見るヒトが多いサービスです。そういうヒトにとって、紹介系のコメントは、あまり意味を持たない。
更に、はてなブックマークというサービスでは、「スター」というシステムがあります。良いコメントに対してfacebookの「いいね!」の感覚でスターを付けたり、いろんな使われ方がされるシステムです。
そして重要なことに、はてなブックマークのコメントは、「獲得したスターの数」によってランク付けされます。そこでどんなコメントがスターを獲得するのかと言えば、「記事の要約/記事の紹介」ではなく、「記事には欠けてる視点を示すコメント/記事の間違いを指摘するコメント/記事からの発展を見せるコメント/関連する面白いコメント」です。
当然です。スターを付けるのは、「記事を読み終わったヒト」だからです。記事と同じ内容の要約コメントなんて、意味がない。ましてや記事を読む前のヒトに向けた紹介コメントなんて、記憶に残るハズもないし、スターが付くハズもない。
こうして「スター獲得順によるコメントランク付け」により、はてなブックマークを使うユーザーは、「記事とは異なる視点のコメントを付けよう」とするインセンティブを持つのです。
それこそが、一見して「ネガティブ」に見えるコメントを量産する理由ではないでしょうか。
7、まとめ
記事を見る前のヒト向けのコメントがtwitter、
記事を見た後のヒト向けのコメントがhatebu、
ポジティブとネガティブの比率の差は、そこから生まれる。
例。
記事内容:ハンバーガー頼んだら、中からミミズが出てきた
記事を読みたい気持ちにさせる疑問喚起型のボケ系コメント。
記事を読んだ人に新たな視点を見せる納得共感型のツッコミ系コメント。
どちらによりインセンティブが働きやすいか、という違いです。
つまり、
Twとhateでコメントを書くユーザー自身(Who)が違うというよりも、
ユーザーが誰に向けてコメントを書いているか(Whom)が違う。
それがコウモリの考える答えです。
では、もしそうだとして。。。
8、提案:影響タブとかどうすか?
今後、「はてなブログ」のサービスが、ネガコメを減らして一般ユーザーを獲得していきたいのだとして。運営の方は、こういう施策を考えてみてはいかがでしょうか。
ブコメ欄の設計
はてブのコメントタブに、「人気」「新着」「すべて」に加えて、「影響」の欄を作る。twitter連携を利用して、twitterでのクリック数順にブクマを並べる。
そうすると、「twitterでクリックしてもらえるような紹介コメントを書くインセンティブ」になるのではないでしょうか。あるいは、これだと「フォロワー数の多いヒトが有利」なので、「クリック率=クリック数/フォロワー数」でランク付けする。
うーん。あまり実効性がありそうではないけれど、空想好きのコウモリとしては、そういう「分配・紹介系のインセンティブを強化する」施策があっても良いのになーと考えます。
いまだと、「自分がブクマすることで、その記事を広げていく喜び」みたいなものが、圧倒的に薄く設計されていると思うのですね。そのせいで、スター狙いの、ともすればネガティブとも言われるようなコメントが多くなる。*2
新着基準の設計
例えば、3ブクマという新着基準もそうですね。もしこれが1ブクマなら、自分が好きな記事を見つけたらどんどんブクマしちゃう。コウモリの場合、たとえ好きな記事を見つけたとしても、「影響力のない自分がブクマしたところで、3ブクマには到達しない。そしてはてブ上では死に記事になるだけだ。ここは、そっとしておこう」という判断をしたことが何回もあります。「何回も」です。
例えば、2ブクマ基準にするだけでも、大きく違うのになーって。はてな市民制度と連携した2ブクマ基準とか、どうでしょう?
→スパム対策の市民制度、fut573さんの提案
分配・紹介を大事にしよう!
アクセスがどうとかスパムがどうとか、自分起点の話をするヒトが多くてウンザリしていたので、他人の記事を広める「分配機能」の観点からの提案をしてみました。もちろんこの提案に実現性なんかないし、他の機能との調整が必要ですが、あまりにも分配機能が軽視・無視されている状況を鑑みての極論です。※このブログは、整理と極論をお届けするブログです。
Whomシリーズの番外編:はてブのWhom話、これでおしまい。
シリーズ本編はこちら
→
Whomシリーズ1回:そのコトバ、誰のために書いてますか?
Whomシリーズ2回:あなたのコトバは何色ですか?
Whomシリーズ3回:多くのヒトに伝えるために
Whomシリーズ4回:炎上回避の方法まとめ ~平和の4項目~
Whomシリーズ5回:炎上の以外なメリット ~娯楽とパンツ~
Whomシリーズ6回:ネガティブな言葉への対応
9、余談:紹介系コメントの文法
おっと。。。忘れてた。
紹介系コメントでのクリック数の変動を見たい方向けに、この記事の紹介コメント例を挙げておきます。
「うわぁ…それはないでしょ」
「ツィッターとはてブ、こんな違いがあったなんて…」
「なるほど!ツィッターを使うヒトって、たしかにそうかも」
ポイントは、ツィートを見るヒトに「感情を見せる/疑問を持たせる」こと。そのための技法は2つ。
①感情語を使う。
②指示語を使う。
こうやって出来た文章の失敗例が、これです。
「うわっ!? わたしのブコメ、ネガティブすぎ…??」
うん、いい感じ!