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2014-02-20

[]マイルドヤンキーって、いまんとこ学歴や収入だけじゃないのかも、と最近思った

地方の「マイルドヤンキー族」は、東京湾岸タワーマンション「空中移動族」と真逆。とその感想欄を読んで、あと最近、高校の同窓会に出てみての感想。


先週、東京に出てきている高校の同窓生の集まりがありました。いわゆる地方の私立進学校ってやつです。その高校の同級生の中でも、私と仲が良くていつも集まっている連中は、まあいわば典型的な「空中移動族」の亜種みたいな人たちで、有名大学を卒業して、高年収の仕事に就き、港区やら渋谷区やら新宿区高級住宅街に住んでいる奴らなのですが、そうでない人もたくさんいる集まりで、地元に残っている同級生の動静を聞くと非常に印象深かったのです。



地元に残ったパターンはこんな感じです。まずは地元の医大や歯科大を出て、それは地元国立大学医学部に行く秀才と、お金でなんとかなるという噂の私立大学と両方なのですが、ともかく医者や歯科医になって、若いころは地元女子と面白おかしく遊びつつお金をじゃんじゃん使って楽しく過ごしつつも、今は堅実に結婚してよきパパになっている人たち。二番目は、親が地元に影響力があって、公務員インフラ系の会社に親のつてで入り込んで定期収入を得ながら楽しく過ごしてる連中。この中には、大学は東京に来て有名大学を出ている人もいっぱいいます。あと、結構無視できないのは、親が地元の中小企業のオーナーで、大学は地元以外で楽しく過ごしても、仕事は親の影響下の企業で経営幹部やってるとかいう人たち。



この人たちは、学歴的には、まあ高学歴です。大学を出ているのはもちろんのこと、大学名を聞いてもそれなりです。つか、現役のころあんなに成績が悪かった人たちが、なんか一浪とかしたら慶應とか明治とか青学とか平気で入っているのでびびったですよ私。でも、そのあと、地元に戻って、地元で土着の仕事に就いて、東京に残った同級生と比べたら決して年収が良いとは言えない生活をよしとし、「マテリアルでリアルな経済価値」に生き、そして中学高校の同級生とかといった「昔の連れ」との人間関係をこよなく大事にする人生を送っています。地元に生き、地元を支えるプライドを持った人たちです。



彼らは、高学歴ですが、行動様式は、まぎれもなく、「マイルドヤンキー」です。



ITリテラシーだって、決して低くないので、Facebookとかよく活用しているのですが、掲載されている写真や生活様式、なにより彼らの髪型やいでたちが、そもそもヤンキーです。ヤンキー満載のFacebook、何かの形容矛盾のようですが、実際、そういう人たちは存在しています。


もちろん、傾向として「マイルドヤンキー」が高学歴高収入かというと、それは違うでしょう。傾向としては、タワーマンションに住んで、都心で情報過多の生活を志向する人たちの方が高学歴高収入なんだろうと思います。しかし、では、マイルドヤンキーの人たちがみな低学歴で低収入の、マクロ的な視野でいうと「負け組」なのかというと、必ずしもそうではないのではないかと思います。わざわざ東京で、あるいは東京的価値観に染められた東京に本社がある大企業で暮らそうと思わない人たち、の大多数はむしろマイルドヤンキーで、日本の面積の大部分を占める「地方」においては、むしろそれらの人たちが意思形成に占める割合は大きいんじゃないかと、そう思うのです。実際、地方選出の国会議員の行動様式を見ていると、「マイルドヤンキー」的な人、多いように思います。それぞれの議員の個々人は、慶應を出てたり大企業社員や官僚といった経歴があるにしても、彼らを国政に送り出すのは、その「マイルドヤンキー」なのですから。



ところで、そのようなマイルドヤンキーの中の恵まれた層の人たちは、いわゆる既得権益に守られた人たちです。医者だったり地元有力者だったりインフラ系企業の人だったり。東京大阪で、「ぐろーばる」(笑)な競争に参加して、国際競争を勝ち抜いていく資質があるにもかかわらず、地方の既得権益の中でぬるーく過ごしている人たちが、わりと安閑と過ごしている構造です。このことを是とするか非とするか、これこそが、「マイルドヤンキー」と「湾岸空中移動族」を分ける断層なのかも、と思ったりしました。


湾岸空中移動族、まあ私もその一部ですが、が、教育的背景も変わらず、そして地方でうまくやっているマイルドヤンキーを見てどう思うか。結構嫉妬とかあるんじゃないかと思ったりするのですが。



地方都市で、低学歴と高学歴の世界が交わるとき - 常夏島日記



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