STAP細胞で有名になった理化学研究所の小保方晴子(その他)。時の人だ。はやくもノーベル賞受賞濃厚と騒ぐ人もいる。
現在そんな彼女が"ある分野"でも話題になっている。すでに彼女が筆頭著者になっている論文にいくつかの指摘がある[1]。某サイトでは話題になり現在検証中。STAP細胞の議論関連のサイトも一部で話題だ[2][3]。そのうちまとめサイトができるだろう。
一部紹介すると次のもの。[1]の論文に関して。
画像1
こういう指摘も(Fig2のKlf4 左端2レーンとFig3のSox2 右端2レーン )。
画像2
小保方の博士論文概要の5ページ目にある研究業績書No.1報文(2)をみると[1]が記載されている。[1]は小保方の博士論文の成果の一部だ。
[3]に関してはPubPeerに次のコメントがある[2]。
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Here is a false-colour image of Fig. 1i:
http://imgur.com/1nBfKTr
It does seem as if somebody did not like the original "positive control" (according to the legend).
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上のリンクの写しはこれです。リンク先の画像を表示すると次です。色を変えた同じものがここでも示されてます。
画像3
11jigenはツイートで次のことを指摘されています(写し、訂正あり、訂正ツイート写し)。指摘は[4]に関するものです。特にキャプションの片瀬の補足2(写し3)を併せて読んで下さい。なお片瀬の作成図の引用は本人から問題ない旨の言及があったし、著作権法の引用として問題ないと判断している。
画像4、11jigenの指摘と訂正、写し - 2014.2.14 閲覧
(注) 上の図は2014-02-14 01:27:11のコメントによる訂正済み
上の図の作成者は11jigen、下の図の作成者は片瀬久美子(補足、補足2、写し1、写し2、写し3)
有名人になったが故に監視の目が厳しく、話題性も高い。有名になるのは諸刃の剣だ。
今後どうなる?
参考
[1]Obokata H, et.al.:"The potential of stem cells in adult tissues representative of the three germ layers." Tissue Eng Part A. 2011 Mar;17(5-6):607-15. doi: 10.1089/ten.TEA.2010.0385. Epub 2011 Jan 10.
[2]Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency、写し、PubPeer 2014.2.13 閲覧
[3]Haruko Obokata, et.al.:"Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency" Nature 505, 641–647 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12968
[4]Haruko Obokata, et al.:"Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency" Nature 505, 676–680 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12969
☆その他未解決
・岡川梓(Azusa Okagawa)国立環境研究所研究員らの件(未解決)
・立石幸代(Yukiyo Tateishi)元国立環境研究所ポスドク、柳澤純(Junn Yanagisawa)筑波大教授らの件(もうすぐ調査結果が出る)
・ディオバン(バルサルタン)事件(中間報告済み、最終報告まだ)
・小室一成(Komuro Issei)東大教授らの件(未解決、調査中)
・光山勝慶(Shokei Kim-Mitsuyama)熊本大教授らの件(未解決、調査中)
・J-ADNI(責任者 岩坪威東大教授)の件(未解決、未調査)
・岡山大学医学部の件(未解決、未調査)
・野口隆之(Takayuki Noguchi)大分大学教授らの件(未解決、調査中)
・高井教行(Noriyuki Takai)大分大元講師の件(未解決、調査中)
・井上明久(Akihisa Inoue)東北大前総長の件(未解決、調査中)
☆研究不正や業績水増しに関する論述
☆報道
小保方論文の画像に疑問の声―理化学研究所が調査開始 ウォールストリートジャーナル(日本語版)
2014年2月18日
STAP論文に不自然な写真 ネイチャー調査 NHKニュース
2014年2月18日
'Game Changing' Japan Stem-Cell Study Questioned naharnet
2014年2月18日(日本時間)
STAP論文の画像は「単純ミス」 共著者の山梨大教授 apital、朝日新聞の同趣旨の記事。
2014年2月18日
STAP細胞:「画像」をネイチャーが調査 毎日新聞
2014年2月18日
「STAP」論文、英科学誌も調査 画像に不自然な点指摘 日本経済新聞
2014年2月18日
ネイチャーもSTAP調査 画像に不自然な点? 共同通信
2014年2月18日
英科学誌ネイチャーもSTAP調査 論文の画像に不自然な点? スポニチ
2014年2月18日
Acid test for STAP cells UT San Diego
2014年2月17日
どこまで広がるのか STAP細胞「小保方論文」の画像疑惑 日刊ゲンダイ
2014年2月18日
新萬能細胞STAP 被疑研究造假 自由時報 (中国語)
2014年2月18日
Acid-bath stem-cell study under investigation Nature←現状で一番詳しい。
2014年2月17日 doi:10.1038/nature.2014.14738
小保方晴子が筆頭著者の論文の不適切さについて ガジェット通信 (本記事の転載)
2014年2月18日
Institute opens probe into STAP cell article data The Japan times
2014年2月17日
High Profile Stem Cell Papers Under Fire ScienceInsider、写し
2014年2月17日 ↑本記事を紹介
Japanese Institute Opens Investigation Into Its Stem-Cell Breakthrough-Questions Have Been Raised About Images in Study THE WALL STREET JOURNAL.
2014年2月17日
STAP細胞論文で外部から指摘 理研、調査を開始 日本経済新聞
2014年2月17日
STAP細胞論文「データに不自然な点ある」 外部指摘で理研調査 SankeiBiz
2014年2月17日
STAP細胞論文「データに不自然な点ある」外部指摘、理研が調査 産経新聞
2014年2月17日
STAP論文を調査 理研、外部から指摘 共同通信
2014年2月17日
STAP論文を検証=「不自然な画像」指摘受け−理化学研究所 時事通信
2014年2月17日
STAP細胞論文に「不自然な画像」 理研が調査 朝日新聞、全文の写し
2014年2月17日
STAP細胞:「不自然な画像」指摘受け理研が論文を調査 毎日新聞、英語版
2014年2月15日
☆2014年2月18日時点の状況
日経によるとNature誌がSTAP細胞論文の調査を開始しました。理研も調査中ですが、毎日新聞によるとSTAP細胞の2論文だけを調査対象にしています。朝日新聞によると早稲田大学はTissue Eng.誌の論文の調査を開始しました。
Nature誌によると、Tissue Eng.誌の画像の重複等の問題(たぶん上の画像1,2などの問題)に関して責任著者のCharles Vacanti(ハーバード大学医学部)は「いくつかのパネルを混同してしまった」と説明し、同誌に訂正を要求しているそうです。朝日新聞によると、間違ったデータを正しいものに差し替えるのではなく、削除することで訂正するとVacantiは述べています。VacantiはTissue Eng.のFounding Editorです。学位を与えた早稲田大学広報室は「仮に問題の画像が取り消されたとしても、博士論文の趣旨に影響しないと考えている」としています。
また、STAP細胞論文の共著者である若山照彦(山梨大学)は胎盤の類似画像の件に関し朝日新聞に対して「同じマウスで角度が違う写真を2回使ってしまい、一方の削除を忘れた単純ミス」と説明しました。
画像3に関しての言及は確認できません。
STAP細胞の追試に関しては、2014年2月18日現在まで再現性を確認したという報告はありません。Nature誌によると、「ネイチャー誌の質問に回答した10人の著名な幹細胞科学者は誰も小保方の結果(STAP細胞の作製)を再現できなかった。しかし、再現を試みた人のほとんどは小保方と同じ型の細胞を使わなかった」(Nature誌の引用かつ翻訳)とのこと。
小保方晴子はNatureのニュースチームの質問に回答しませんでした。小保方の説明は一切確認できません。小保方の説明が必要です。
STAP細胞の再現性は依然不明です。再現性がはっきりするためには複数の機関の再現性確認が必要です。
☆読者の皆様へ(2014.2.15 午後11時7分 記載)
念のために述べますが、現在世界中の研究機関でSTAP細胞を追試中で再現性がはっきりするまでSTAP細胞の真偽は不明です。本文の指摘は再現性とは別問題です。
(2014.2.16 午後11時20分 追加)
本記事は非常に反響があり、読んで頂いた読者の皆様に感謝します。ありがとうございます。しかし、私としては記事を正しく執筆しているつもりですが、本記事公表後のネットの影響を見ると、記事の閲覧や伝聞の過程で間違って伝わっている現象を見ました。本記事の内容に関してはきちんとご確認くださいますようお願い申し上げます。
コメントに関しても、それを併せて本文を読むと記事の趣旨と異なる捉え方をされる危険があるので今の時点では非公表とさせていただきました。御了承ください。
また、論文に改ざん等の不正があるかは理研、早大、Nature誌の調査結果が出るまで不明です。タイトル等の不適切という言葉は少なくとも論文に誤り又は不十分な点があり、それを不適切と表現しています。