47NEWS >  47トピックス >  超おすすめ

47トピックス

【経団連が武器輸出拡大提言】 官民で三原則見直し  平和理念に逆行も / 産業弱体化へ危機感  政権の積極姿勢に便乗


 防衛産業でつくる経団連の防衛生産委員会は12日、事実上の禁輸政策だった武器輸出三原則を大幅に緩和すべきだとする提言をまとめ、自民党の国防部会関連会合に示した。防衛装備品について他国との共同開発に限らず、国産品の輸出を広く認めるとともに、国際競争に勝ち抜くため、政府内に武器輸出を専門に扱う担当部局を設けるよう求めたのが特徴だ。

 安倍政権で三原則見直し作業が本格化して以降、産業界の本格的な提言は初めて。政府が策定中の新たな武器輸出の指針に反映させる狙いで、政府、与党の議論に影響を与えそうだ。官民で足並みをそろえた輸出拡大策は、歴代政権が踏襲してきた平和国家の理念に逆行する恐れもある。

 三原則に基づく政府の禁輸政策は、2011年に大幅緩和され、米国以外の国とも共同開発が可能になった。しかし国産のセンサーや半導体などの輸出が許されておらず、装備品の第三国移転には日本の事前同意を相手国に義務付けているため、緩和ではなく「規制の強化」になったと指摘。日本と安全保障面で重要な関係を持つ国に対する装備品移転が、日本や国際社会の安保に資する場合には幅広く輸出を認めるよう主張した。

 その上で、装備品を第三国に移転する際の手続きについて、日本の独自技術が貢献している度合いが大きい場合は日本の事前同意を求め、小さい場合には、国連憲章の趣旨に沿う範囲で輸出相手国の管理に委ねる案を盛り込んだ。

 また、英国や韓国が政府に専門部局を設置し国を挙げて武器輸出を推進している点と比較し「輸出先進国に肩を並べて競争していくためにはこれらの国と同様の支援が必須」と強調。大規模な国際共同開発は国が主導して、輸出先の国には訓練・運用の支援を実施することも求めている。

 提言は防衛生産委員会の 岩崎啓一郎 (いわさき・けいいちろう) 総合部会長代行(三菱重工業執行役員)が自民党会合に提出した。経団連によると、委員会は三菱重工業や川崎重工業、IHIなど計60社で構成。三菱重工業の大宮英明会長が委員長を務める。

■産業弱体化へ危機感  政権の積極姿勢に便乗 

 安倍政権が進める武器輸出三原則の見直し作業に呼応し、防衛産業側が12日、輸出拡大を官民で推進すべきだとの提言を自民党に示した。背景には防衛関係予算が頭打ちになる中、産業全体の弱体化に対する危機感がある。輸出推進の積極姿勢を鮮明にする安倍政権に便乗し、大幅な規制緩和を実現させる思惑もありそうだ。

 防衛省によると、2003年以降、採算割れなどを理由に防衛産業からの撤退や生産辞退などを表明した国内企業は100社以上に及ぶという。日本には欧米のような防衛専業メーカーがなく、最大手の三菱重工業でも防衛部門の売上高は全体の約9%にすぎない。

 ある大手企業の首脳は「防衛に関する生産や技術基盤が弱体化する懸念が高まっている」と明かす。

 冷戦終結後、世界全体の国防費はロシアや中国を除いて頭打ちの状況で、競争力確保のため防衛産業の再編が欧米中心に進んでいる。一方、日本の経団連は「各社とも事業規模の小ささと不透明な将来性で、再編が進んでいない」と指摘する。

 武器輸出の市場は、中東やアジア諸国向けが全世界の7割を占めるとみられ、武器輸出が緩和されれば、新幹線などのインフラと同様、高い技術力を売り物にした国家戦略の輸出品になる可能性が指摘されている。

 日本ではこれまで民間の技術を防衛に転用してきた。「政府主導による防衛技術の研究や開発を強化すれば、それに合わせる形で民間の関連投資も増える」(経団連関係者)との見方もある。

 半面で、日本製の武器や装備が紛争当事国に広がり、国際社会で「死の商人」と呼ばれる恐れが強まるのを懸念する声も防衛産業内には残る。

【解説】平和国家の看板に傷も 経団連の武器輸出提言 

 防衛産業を中心とする12日の経団連の提言は、安倍政権による武器輸出三原則の見直し作業と歩調を合わせた内容となっており、官民の二人三脚で輸出積極策を推進する姿勢を鮮明にした格好だ。ただ、平和憲法に基づいて過去の政権が踏襲してきた禁輸政策の国是を大きく変更する国民的なコンセンサスは得られていない。ビジネス優先の論理がまかり通れば、戦後築き上げてきた平和国家の看板が大きく傷つく恐れもある。

 日本の防衛産業は、武器輸出三原則や装備品の純国産化を定めた政府方針によって、国際的な競争にさらされない「鎖国状態」(防衛省幹部)が続いてきた。

 しかし、集団的自衛権の行使容認論など、積極的な安全保障政策を進める安倍晋三首相は、1970年代に禁輸政策として定着した武器輸出三原則の見直しにも着手。昨年12月に決定した国家安全保障戦略に、禁輸政策緩和の方向で見直す方針を明記し、新たな指針の3月中の閣議決定を目指して、政府、与党内の調整を急いでいる。

 政府の見直し案には、国際機関への武器輸出の解禁や、防衛装備品を輸出相手国から第三国に移転する際に求めていた日本の事前同意の手続きに例外規定も設けることが盛り込まれる見通しだ。

 公明党は慎重姿勢を崩さず、与党内調整が難航する可能性もある。

(共同通信)

2014/02/13 10:21

ロード中 関連記事を取得中...


コメント

金儲けのためなら「死の商人」になることも厭わず…ということですね。何という節操のなさ、志の低さでしょう!経団連はいつからこんな下衆団体に成り下がってしまったのでしょうか。「経世済民」の精神はどこにおいてきたのか?全く情けない!

投稿者 K-chan : 2014年02月14日 16:13


コメントをお寄せください