中国外務省は19日、中国駐在の外国メディアを対象に、江蘇省南京で「南京大虐殺記念館」などをめぐるツアーを実施した。安倍晋三首相の靖国神社参拝などを受け、日本批判を強める中国政府が、国際世論を味方につけようと「宣伝戦」を繰り広げている。

 日本のほか米国、英国、イタリア、韓国など7カ国と香港のメディア関係者約40人が参加した。朱成山館長が会見を開き、日本には歴史の事実を無視する勢力がいると批判を展開。米紙ウォールストリート・ジャーナル記者が「日中はどう過去を乗り越えるべきか」と問うと、朱館長は、ドイツは加害者として欧州との和解を成し遂げたとした上で「日本は誠実に歴史を認めるべきだ」と述べた。

 20日にも南京大学大虐殺史研究所所長の会見や、抗日航空烈士記念館訪問などを予定している。

 中国政府は1月にも遼寧省で、満州事変の契機となった柳条湖事件に関する展示がある「九・一八歴史博物館」などに外国メディアを招いた。(南京=金順姫)