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DNSルートサーバーの秘密 日経NETWORK

第4回 ルートサーバーのIPアドレスが変化する理由

2014/02/20
坂口 智哉=日本レジストリサービス(JPRS)システム部 (筆者執筆記事一覧
出典:日経NETWORK 2013年11月号  pp.52-64
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 2013年1月3日、ルートサーバーの1つ、米メリーランド大学が運用するDルートサーバーのIPアドレスが変更された。実はルートサーバーのIPアドレス変更はこれが初めてではない。インターネットを黎明期から振り返ると、IPアドレスだけでなくホスト名や台数なども含めてルートサーバーは年々変化している。

 ここでは例として、2013年1月に変更されたDルートサーバー(d.root-servers.net)について見てみよう。

なぜIPアドレスを変更したのか

 DルートサーバーのIPアドレス変更の主な狙いは、ルートサーバーのつながるネットワークを独立させ、安定性を高める点にあったようだ。新旧のIPアドレスの情報をインターネット上に公開されているデータベース(WHOIS)で検索した結果は図1の通り。旧IPアドレス「128.8.10.90」が所属する、ネットワーク全体のIPアドレスブロックは「128.8.0.0/16」だ。

図1●ルートサーバーのIPアドレスを変えた理由
上は最近IPアドレスを変更した米メリーランド大学のDルートサーバーのIPアドレスの情報を、WHOISで調べた結果。IPアドレスブロックの範囲やネットワークの名称などを調べると、ルートサーバー専用のIPアドレス/AS番号を用意して、そちらにルートサーバーを移設したことがわかる。大学内のほかのシステムの影響からルートサーバーを切り離し、IP Anycastを導入しやすくする目的があったとみられる。
[画像のクリックで拡大表示]

 このIPアドレスブロックには6万5536ものIPアドレスが含まれ、「UMDNET-1」(University of Maryland NETworkの略と推測できる)と名付けられた、かなり大きなネットワークである。つまり以前のDルートサーバーは、メリーランド大学全体が利用するネットワークに共存していたことになる。ルートサーバーが所属するネットワークのAS番号(図中の「OriginAS」)も大学全体のネットワークのもの(AS27)だった。

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