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第4回 ルートサーバーのIPアドレスが変化する理由
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
2013年1月3日、ルートサーバーの1つ、米メリーランド大学が運用するDルートサーバーのIPアドレスが変更された。実はルートサーバーのIPアドレス変更はこれが初めてではない。インターネットを黎明期から振り返ると、IPアドレスだけでなくホスト名や台数なども含めてルートサーバーは年々変化している。
ここでは例として、2013年1月に変更されたDルートサーバー(d.root-servers.net)について見てみよう。
なぜIPアドレスを変更したのか
DルートサーバーのIPアドレス変更の主な狙いは、ルートサーバーのつながるネットワークを独立させ、安定性を高める点にあったようだ。新旧のIPアドレスの情報をインターネット上に公開されているデータベース(WHOIS)で検索した結果は図1の通り。旧IPアドレス「128.8.10.90」が所属する、ネットワーク全体のIPアドレスブロックは「128.8.0.0/16」だ。
このIPアドレスブロックには6万5536ものIPアドレスが含まれ、「UMDNET-1」(University of Maryland NETworkの略と推測できる)と名付けられた、かなり大きなネットワークである。つまり以前のDルートサーバーは、メリーランド大学全体が利用するネットワークに共存していたことになる。ルートサーバーが所属するネットワークのAS番号(図中の「OriginAS」)も大学全体のネットワークのもの(AS27)だった。
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