「週刊現代」２月２２号──「都知事選が終って 『さあ原発再稼動』と張り切るアホどもへ告ぐ」
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「 『細川と小泉を本当に脅威だと感じていたら、われわれは出馬を断念させるためにどんな手でも使った。彼らを野放しにしたのは、ガス抜きのためですよ。あえて彼らに脱原発を叫んでもらうことで、世論のガス抜きをしてもらう。そして脱原発を掲げる彼らが敗北した暁には、われわれの主張する原発推進にお墨付きが得られるというわけだ』
自民党のある派閥幹部は、終始枡添要一氏の優位に進んだ東京都知事選をこう総括した」
「週刊現代」２月２２号の「都知事選が終って 『さあ原発再稼動』と張り切るアホどもへ告ぐ」という特集記事の冒頭の書き出しだが、はたしてこの「自民党のある派閥幹部」のコメントの真意はどうなのか。
たしかに、沖縄の名護市長選における自民党本部の「辺野古移設反対」の立場の国会議員や県連、仲井間県知事に対する、威圧的ともいえる厳しい対応を見れば、都知事選で自民党推薦候補に真っ向から対立候補を立てた小泉氏だけが野放しで、お咎めもないということは、どうにも不可解である。本来、自民党を除名されてもいいはずかそうならないのはなぜか。１３００万の人口をかかえ、韓国１国と同じ予算規模を持つ、首都東京の選挙だけあって、権力の思わぬ策略も十分ありうると思う。
役者が「自民党をぶっ壊す」と言って自民党を歴史的大勝をさせた元首相の小泉氏だけに考えさせる。
さて、記事にもどる。
ある「経産省の中堅幹部」の話しとして、すでに都知事選の結果を受けて、原発推進の急先鋒である経済産業省の官僚たちは完全に前のめりで、官邸に出入りする幹部は「原発を年内に１０基再稼動させるぞ」と意気込んでおり、さらには「再稼動は第一歩で、新増設まで突っ走る」という声も出ているそうだ。
２月２３日は、山口県知事選があるが、中国電力が計画している上関原発の是非が問われており、自公候補推薦の元総務官僚の候補者が勝利すれば、「悲願の原発新増設が叶う」と沸いているという。
また、経産官僚は次のように話しているという。
「昨年末、エネルギー政策の方針をまとめるエネルギー基本計画（エネ計画）を策定する際、経産省側は官邸にいる柳瀬唯夫首相秘書官（経産省出身）を通じてエネ計画に原発新増設を盛り込みたいとと頼んだが、やりすぎるなと釘をさされた。
ただ、都知事選で潮目が変わった。官邸に入っている柳瀬さんや今井尚哉（首相政務秘書官、経産省出身）さんも、『いまならできる』と思っているはずなので、官邸側にアプローチする案を練り始めました」
電力会社も動き出した。
ある「反原発派」のジャーナリストにも、都知事選で「枡添有利」と報じられ始めた頃から、電力業界から「勉強させてくれ」「忌憚のない意見を聞かせてください」と講演の依頼が執拗に来ており、同じ同業者に聞けば、彼らのところにも同じように電力業界がスポンサーにつく雑誌やラジオ番組から執筆や出演の依頼が来て驚いたと言う。多額の「講演料」攻勢によって、電力業界批判を鈍らせる目的のためだ。
同じ時期に、電気事業連合会（電事連）が、自民党疑点に対して２月に閣議決定が予定されているエネ計画に関するアンケートの「模範解答」を配っていたことが発覚したが、その中には原発の再稼動だけでなく、新増設の必要性も書かれていたという。
関西電力会長で電事連会長の八木誠氏も公然と「１日も早い再稼動を目指す」「「新増設が必要」といい始めた。
電力会社と自民党、官僚たちの三者が一体となって、日本各地で原発を次々と動かすシナリオを実現させようとしているのだ。
自民党（国民政治協会）への政治献金問題では、収支報告書に並ぶ個人名の「会社役員」「団体職員」とだけしか書いていない職業を調べたところ、多数の電力会社役員が献金していることがわかった。
原発関連事業を手がける企業の献金もすごい。日立、三菱重工業など原発メーカー各社は１０００万円以上、建設を手がける大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設などゼネコン各社は８００万円以上。日本電機工業会、日本鉄鋼連名などの業界団体に至っては４０００万円以上にもなる。
１月２７日付「朝日」のスクープで、甘利経済再生相のパーティー券を、電力会社が表に出ないように分担して「覆面購入」していたことが報じられた。
「電力会社」と「官僚」も「天下り」で密接につながる。経産省、資源エネルギー庁だけでなく地元自治体ＯＢまで面倒を見て、さらに、東電本社では「顧問」と言う肩書きの警察ＯＢなどを抱えて月数十万円の顧問料を渡すなどしており、そうした裏の天下りや顧問を加えると数百人規模になるといわれる。
このような「原子力ムラ」のトライアングルの力が安倍政権の下で復活し、勢いづいている。しかも、かつての「密室主義」も復活し、エネ計画の素案作りをしている経産省の審議会（分科会）なども露骨な「原発推進ありき」の方針で進められ、「原発ゼロ」の声は無視されている。
脱原発の声を無視しようという動きは、政府や官僚だけでなく、メディアにも広がっている。
ＮＨＫラジオ番組で、原発問題で話そうとしストップがかかった中北徹東洋大教授は次のように述べる。
「番組側に原稿を書いて、成案化したものを事前収録でその通りに話すというのが通例でした。その日は原発再稼動と事故のコストについて話そうとしたら、『絶対やめてほしい』といわれたのです。私はこの番組に約２０年出演していますが、テーマの変更を求められたのは初めてでした」
最近では「原発が再稼動ができないと、電気料金が大幅アップされる」と煽ってきておいて、次の脅し文句は「原発が動かないと、半導体など製造業の基幹となる部品メーカーが工場を海外に移転させて、日本経済が壊滅的な打撃をうける」というものらしく、すでにデーター付きの資料も作っているというのだ。
記事では、「そこまでして原発を再稼動させたい政府、官僚、電力会社の涙ぐましい『努力』は、もはやアホの仕業にしか移らない」と述べている。
原発問題でも、安倍政権が考えていることと国民の求めるものとのギャップがあまりに大きい。
共同通信の世論調査（１月２５、２６日実施）では、「政府が『安全性が確認された』とした原発を電力会社が再稼動することに賛成ですか、反対ですか。」の質問に対して、
賛成 ３１．６％
反対 ６０．２％
分からない・無回答 ８・２％
であった。
「再稼動すべきでない」 ２６．５％
「どちらかといえば反対」 ３４．２％ 計６０．７％。
「再稼動すべき」 １１．０％
「どちらかといえば賛成」 ２５．３％ 計３６．３％。
また、原発が「不安」「やや不安」をあわせると８６．９％に達した。
さらに、９日投票の東京都知事選では、原発「即ゼロ」をはっきりと公約に掲げて訴えた２人の候補者の得票合計１９３万票（３９．８１％）であるが、一方の当選した自民・公明候補も実は、「再生可能エネルギー活用を進め原発依存度を減らす」と言っていたのだ。
テレビ討論でも「すぐゼロにするのは問題がある」とは言ったが、「原発再稼動します」「新増設します」とは、一言も言っていない。
それを「原発再稼動が認められた」と安倍首相や官邸が有権者のお墨付きをもらったかのように勘違いするのは勇みすぎるし、「新増設も」というのは、暴走も甚だしいものだ。
２０１１年３月１１日の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から３年。
いまだに、福島県から県外に非難した住民は全国で４８３６４人（１月１６日調査）にものぼり、東京だけでも６５８３人が避難生活を行っている。
高濃度放射能汚染水漏れは大地と海を汚し続け、広範な地域での放射能汚染は続き、除染もすすんでいない。
福島第一原発は、「事故収束」どころか、メルトスルー（メルトアウト）した溶け落ちた炉心の処理も、使用済み核燃料棒の処理も、すべてが過程にあり、見通しもわからない状況にある。
こんな状況に目をつぶって再稼動や新増設など絶対にあってはならない。
故郷を奪われ、仕事を奪われ、家族をもひきさかれ、子どもたちの健康に不安を募らせる、福島県民の苦しみ、悲しみを考えるなら、「原発ゼロ」以外に道はないはずだ。
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転載させてくださいね。
2014/2/13(木) 午前 7:03 [ あさり ]
転載させていただきます。いつも貴重な情報有難うございます
2014/2/13(木) 午前 10:15 [ iyo*o*kank*n ]
転載させて頂きました。
2014/2/13(木) 午前 11:27 [ 日々物語 ]
あさりさま
いつもありがとうございます。
2014/2/14(金) 午前 0:30 [ ＴＡＢＩＢＩＴＯ ]
iyo*o*kank*nさま
いつも福島の貴重な現場の声、現場の状況を伝えていただきありがとうございます。
2014/2/14(金) 午前 0:32 [ ＴＡＢＩＢＩＴＯ ]
日々物語さま
ありがとうございます。
2014/2/14(金) 午前 0:33 [ ＴＡＢＩＢＩＴＯ ]
転載させていただきます！！
2014/2/14(金) 午前 10:34 [ おだ 真理 ]
おだ 真理さま
ありがとうございます。
2014/2/15(土) 午前 1:37 [ ＴＡＢＩＢＩＴＯ ]
民主主義は多数決が原則。そんなことも理解してないのか？
人をアホ呼ばわりするのは笑止。
2014/2/19(水) 午後 11:31 [ dxc*6* ]