松山ケンイチさん 福島描く映画に主演2月19日 17時13分
来月公開の映画「家路」に主演する若手の実力派俳優・松山ケンイチさん。
映画の舞台は現在の福島で、原発事故の影響で避難生活を余儀なくされている家族の物語です。
撮影は、福島の居住制限区域などで行われました。
東日本大震災からまもなく3年。
松山さんは「映画をきっかけに自分の家族やふるさとについて考えてほしい」と語ります。
「今」を扱うからこそ伝わる
「今は自分たちはもう普通に生活していますし、もうずいぶん昔の話になってきてしまっているような気がしますけども、結局山とかでも、木の板がずっと線で、境界線みたいに張られてるんですよね。で、ここから下は除染されてます。ここから上はまだされてません、みたいな。でまあ、実際撮影した町でも結局『夕方5時以降は、まだ入れません』みたいなものも残ってるし。もうそういう町は、道路の真ん中から草が生えてたりしてるんですよね。なんかそういう現状があるっていうことは、同じ日本にあるっていうことって、忘れちゃいけないような気がするんですよね」(松山ケンイチさん)。
映画の舞台は原発事故の影響で警戒区域となり住民が住めなくなった村です。
ここで松山さん演じる主人公の「次郎」は、ひそかに暮らし始めます。
一方、次郎の家族は仮設住宅で先の見えない生活を送っています。
土地と仕事を失い、やり場のない不満をかかえる兄。
慣れない生活で認知症の症状が出てきた母。
放射線の危険を無視して暮らそうとする次郎に家族は揺れますが、皮肉にも、そんな次郎の行動で家族の絆がよみがえっていきます。
見えない放射線に苦しみ続ける福島の重い課題を問いかける映画です。
「3月11日、震災が起こって数年後。ちょうど『今』の物語なんで、『今』を扱った作品がたぶん今を生きてる人たちみんなにダイレクトに伝わるわけじゃないですか。やっぱり自分が役者としてできることっていうのは、こういう『今』を扱った作品に出ることだなっていうのと思いましたね」(松山さん)。
大事だった「つながり」
映画の撮影は、住んでいる人たちの許可を得て実際の仮設住宅や農家で行われました。
松山さんに農作業のシーンの指導をしたのは、震災の年もあえて田植えをしてコメ作りを続けた地元の農家です。
また、取材で得られた被災した人たちの実際のエピソードも多く盛り込まれています。
「やっぱり僕自身もそうでしたけども、地震が起こったときに自分の本当に必要なものって何なんだろう、大事にしているものって何なんだろうっていうことを、すごく考えさせられたんですよね。その時にやっぱり、大事だったのは、つながりみたいなものがすごく僕は大事だったんですよね。それに気付いて、それぞれどんな人にも家族とか故郷っていうものがあるんですけども、今回この作品をきっかけに、自分にとって家族とか故郷ってなんだろうっていう、考えるきっかけになっていただければいいなって思いますね」(松山さん)。
自身も同じ東北の青森出身ということもあり、より強い思いがあったと話す松山さん。
映画「家路」は来月公開されます。
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