糖アルコールは糖質甘味料に分類される、天然にも存在する甘味料です。例えばキシリトールはイチゴやキノコに、ソルビトールはリンゴやナシ、ナナカマドに、マンニトールは昆布に含まれているなど、安心して御利用いただける糖質です。
糖質甘味料 | 一般的糖類 | 木糖(キシロース) ブドウ糖(グルコース) 果糖(フラクトース) 麦芽糖(マルトース) 乳糖(ラクトース) 砂糖(シュクロース) 異性化糖 水飴 |
オリゴ糖類 | イソマルトオリゴ糖 フラクトオリゴ糖 キシロオリゴ糖 大豆オリゴ糖 |
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糖アルコール類 | キシリトール ソルビトール マンニトール マルチトール ラクチトール オリゴ糖アルコール |
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非糖質甘味料 | アスパルテーム ステビア サッカリン |
糖アルコールは糖質甘味料に分類される、天然にも存在する甘味料です。工業的には、トウモロコシやイモの澱粉などを原料として得られる種々の糖、水飴に水素を添加して製造されています。
(1)熱安定性
砂糖を160ºC以上に加熱すると、その一部が分解し、ブドウ糖と果糖になります。さらに加熱すると褐色のカラメルとなります。
糖アルコール類は熱に安定で分解せず、加熱しても着色を起こしにくい糖質です。
(2)非メイラード反応性
ケーキや煮物のように、アミノ酸と糖質を多く含む食品を加熱すると焼き色がつきます。これはアミノ酸のアミノ基と糖分子中のカルボニル基が結合することで始まる、メイラード反応によるものです。
糖アルコールは水素が添加されているため、アミノ基を持つ素材とメイラード反応を起こしません。焼き色をつけたくないときや、保存中の褐変現象が気になる場合にご使用下さい。
(3)耐酸安定性
砂糖などの糖類は酸性下で分解してしまいます。
糖アルコールは酸性下でも分解せず、品質の安定化することができます。
(1)低カロリー
糖アルコールは胃や腸で消化・吸収されにくい糖質であるため、砂糖などに比べてカロリーが約1/2〜2/3。カロリーの気になる方に適した糖質といえます。
種 類 | カロリー値(kcal/g) | |
砂 糖 | 4.0 | |
ブドウ糖 | 4.0 | |
糖 ア ル コ | ル 類 |
ソルビトール | 3.0 |
マルチトール | 2.0〜2.2 | |
キシリトール | 3.0 | |
還元水飴 | 2.3〜3.4 |
(2)糖尿病が気になる方にもご利用いただけます
日本の糖尿病患者はその予備軍を含めて1000万人以上いるといわれており、血糖値上昇を抑える特定保健用食品も数多く開発されています。
糖アルコールはしっかりとした甘味をもちながら、血糖値を急激に上昇させず、インスリンの分泌も刺激しません。そのため糖尿病患者の方々にも安心してご利用いただける甘味料として、長年利用されています。
(3)虫歯の原因になりません
虫歯の原因にならない甘味料として一躍有名となった「キシリトール」も糖アルコールの一種。
食事後の口中に残る食べかすを餌にして、虫歯菌の産生する酸が虫歯の原因と言われています。トゥースフレンドリー協会では口中のpHが5.7を下回ると虫歯につながるとしています。
でもご安心ください。糖アルコールは虫歯菌の餌にならないため、食事後も口の中のpHが低下せず、虫歯の原因になりません。
糖アルコール類を一度に大量に摂取するとおなかが緩くなることがあります。これは糖アルコールが小腸で消化・吸収されにくいことが原因で、吸収されなかった糖アルコールがそのまま大腸に到達し、大腸内の浸透圧を高めるために起こると言われています。
これらの現象は一過性のものであって、体に害はありません。