ロシアとエストニアが国境確定2月19日 5時38分
ロシアとバルト3国のエストニアが国境を画定し、ロシアにとって主要な領土問題は日本との北方領土交渉だけになりました。
ロシアのラブロフ外相とエストニアのパエト外相は、18日、モスクワで両国の国境を画定する条約に調印しました。
条約では、ロシアが実効支配する旧ソビエト時代の境界線に従って国境が画定され、エストニアは東京都の面積を上回る2300平方キロメートル余りについて、領土の要求を放棄することになります。
第2次世界大戦中に旧ソビエトに併合されたエストニアは、1991年の独立後、戦前の国境を回復しようとロシアと交渉を始めましたが、譲歩を引き出せず、2004年に加盟したEU=ヨーロッパ連合とNATO=北大西洋条約機構からもロシアとの国境を画定するよう促されたこともあり、今回の合意に至りました。
ロシアのプーチン大統領は、就任以来、中国やノルウェーなど周辺諸国との国境問題を次々と解決し、今回、懸案だったエストニアとの国境を画定したことで、ロシアの主要な領土問題は日本との北方領土交渉だけになりました。
北方領土「受け入れ可能な解決策を模索」
ロシアのラブロフ外相は調印後の記者会見で、NHKが日本との間の北方領土問題について尋ねたのに対して、これまで両国の間で調印された諸文書に基づき、双方の国民に受け入れ可能な解決策を模索していく考えを改めて示しました。
そのうえで、ラブロフ外相は「ロシアが国境を画定したほかの国々との間では、第2次大戦後の現実を含め、現実に即して実務的に話し合いが行われ、手際よく問題を解決することにつながった」と述べ、領土問題の解決にあたっては実務的に取り組むべきだとの考えを示しました。
一方、エストニアのパエト外相は、NHKのインタビューに対し、今回の合意の背景について「エストニアの安全保障にとってロシアとの関係正常化は重要だ。国境画定によって両国は将来の紛争を回避できる」と述べました。
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