ただ、「TTRがこのままISFの二の舞いになるのではないか」という懸念が高まる中、1月半ば、ホワイトがTTRツアーの一つで、伝統ある「エア&スタイル」という大会の主催権を買い取った。彼の中に大会を守ろうという意識が働いたとみられ、スポンサーら賛同者が出れば、ようやく閉塞感が打破できるかもしれないと期待が高まっている。ハーコンセンも「彼のネームバリューと実績があれば、スノーボードを本来のものに戻せるかもしれない」と期待を寄せた。
■五輪種目に選ばれても市場は縮小
ところで、そのハーコンセンはスノーボードが五輪競技になったことによる別の弊害を指摘してきた一人である。
一般には五輪種目に選ばれることで、競技人口が増え、市場が拡大するとみられているが、スノーボードの場合はむしろ逆効果。五輪の正式競技にとなった98年前後をピークに、スノーボード市場は縮小しているのだ。
特に、かつては強みを持っていた、子供たちを取り込めていない。12年5月13日付の「デンバーポスト」紙によると、米国でスノーボードをしている人の平均年齢は23.5歳(96~97年)から、27.5歳(10~11年)まで上がったという。昔やっていた人が続けているだけで、新しく始める人が減っているのだ。
その理由について、ハーコンセンはブリッジーズさんによるインタビューでこう分析していた。「五輪により、ハーフパイプがスノーボードの中心となってしまった。でも、今のハーフパイプを見ていると、みんな同じトリックばかりだ。おそらくそれは五輪の採点で有利なのだろう。が、それが面白いかといえば、そうは感じられない」
■創造性と自由が本来の魅力だが…
創造性と自由。それが本来、スノーボードが持つ魅力だった。それが今、型にはまったスポーツになろうとしている。
確かに不思議だ。日本では、国母、平野という世界トップクラスの選手が育ったというのに、それが日本のスノーボード市場の拡大につながったという話は聞かない。90年代にはいわゆるガレージブランドが雨後のたけのこのように生まれて勢いがあったが、それらも淘汰され、大手にもかつての勢いは感じられない。
華やかな祭典の裏で、五輪との共存に矛盾を感じながらスノーボードは今、岐路に立っている。
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