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政治
安倍首相、公明も“分断操縦” 山口代表と距離、当選同期組には配慮
首相は、長い付き合いの富田氏にも配慮をみせた。自公両党間で懸案の一つとなっていた教育委員会制度改革に話が及ぶと、富田氏が公明党内の取りまとめを行っていることを踏まえ「富田さんたちが一番、詳しいのでお任せします」とその場で“お墨付き”を与えた。
教委改革をめぐっては、下村博文文部科学相が教育行政の最終責任者を自治体の首長に移す案を採用するよう自民党に働き掛けていたのに対し、公明党は政治的中立性を維持する観点から難色を表明していた。
意見対立が高じれば、自公間の新たな火種になるとの見方もあったが、首相が富田氏に言質を与えたことで、公明党の意向をくんだ「折衷案」に大きく傾いた。
その一方で、首相は本来のカウンターパート、山口氏とは「うまが合わない」(自民党幹部)とされる。
山口氏は首相の政権運営に対する「ブレーキ役」を自任しており、党の主張と異なる問題には譲歩しない姿勢を取っている。
昨年12月の首相の靖国参拝についても「参拝が政治問題、外交問題を引き起こすから賢明に対応した方がいいと言ってきた。残念だ」と語気荒く批判した。
先の都知事選では街頭演説で首相と並んでみせたものの、ぎこちなさも漂った。メールのやり取りも始めたが「堅苦しい内容がほとんど」(首相周辺)とされ、山口氏周辺も「首相との関係改善はあきらめているのでは。親しい人たちが関係を構築してくれればいいと思っているようだ」とこぼすほどだ。
気脈を通じる公明党議員とはお酒も交えて食事し、配慮もする一方、政党トップの山口氏とは政府与党連絡会議など公式な場ばかり-。首相がこうした付き合い方をする背景には、気の置けない「当選同期組」を介して公明党内に理解を求めるというよりも、「責任野党」発言で維新などに秋波を送り、野党共闘にくさびを打ち込むことに成功した経験もあるようだ。
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