先ほどお話した生まれ変わりの村でも輪廻というものは存在していると主張していますが、内容については少し説得力に欠けているのも事実です。中国奥地にある村、84例を元にして作られたといいますが実はそのほかの生まれ変わりを主張している研究者から考えた場合、どうしても信用することの出来ない話だと思ってしまいます。なので、生まれ変わりというものを本気で研究したいと考えている人はその筋の権威とも称されていた研究者でもある『イアン・スティーヴンソン』氏の著書を参考にすると良いでしょう。私もこの原稿を書いているときに初めてその名前を知ったのですが、イアン氏の研究内容については裏付けもしっかりとしている地道な研究内容となっているので可能性として信じることをしてもおかしくないと思って言いといえるものとなっています。
イアン・スティーヴンソンと言う人は非常にアナログな人間だったそうです、もちろん彼が生まれた時代が日本で言うところの昭和初期、つまりは世界大戦開幕直前ともいえるような緊迫した時代に生を受けたのです。彼が純粋に生まれ変わりの研究を始めたのは1960年代、アメリカにあるヴァージニア大学精神科の主任教授に着任したとき際、世界中に存在していることを知ったことで、本格的に生まれ変わり現象について研究を始める価値があると判断したのです。それはつまり彼も当初は人間が前世の記憶を持っているなどと非科学的なものだと思っていたことと考えられます。
前例があるからこそ取り組む価値はある、その点についても非常に理知的な人の見解といえるでしょう。その後順調に研究を進めていくことで彼は多くの前世の記憶を持って生まれた子供を対象とした研究に没頭していくことになります。
イアン氏が用いた研究方法というものは一体どのようなものだったのか、ということなのですがこれもまた彼の研究内容に多くの人が興味関心を惹かれるようになる一因を生み出していると考えて良いでしょう。では具体的にどんな方法だったのかというのは以下の通りとなっています。
この二つの研究方法は調査という方法で考えるなら、今ではアナログ的な行動といえるでしょう。現代ではインターネットというものが誕生したこともあって情報がネット社会に散漫しているので、わざわざ足労を伴わないで調べることも出来ます。インターネットの技術は元々アメリカから誕生したこともあって文化としてはアメリカでも当初から研究者の中には率先して取り入れて行った人もいたでしょう。そんな中でひたすら自分が聞いたものしか信用しないという信念なのか、研究開始から40年という時間においてそのスタイルを一切変えることなく研究し続けた結果、なんと合計2000例もの研究成果を出すことに成功したのです。
アメリカなどの文化圏のみならず、世界各国を含めた各地域による研究結果としては少ないケースだと考える人もいるかと思いますが、研究テーマにしている内容の事を考えると説得力のある数字といえるのではないでしょうか。先ほどの中国奥地の話を信じるか、イアン氏の研究したものを信じるかはお任せする形になってしまいますが、出来るのであればイアン氏の方に少しは見聞を広めるという意味で教養という常識で勉強するときの参考書として選択した方がいいと言いたい。
イアン氏が提案した生まれ変わりの子供達の特徴というものにもそれぞれ特徴というものが見出されています。その中には少しに通っているようなところもありますが、生まれ変わりのムラの題材ともなっている中国奥地の人々が証言している内容と少し異なっているものもあるので、その辺についても少し比較しながら話を進めて行こうと思います。
といった具合によってイアン氏の研究結果は事細かにまとめられていくようになりました。無論ですが生まれ変わり等あるわけがないとして批判を浴びることもあったでしょうが、それもやむなしでしょう。私もイアン氏の言っていることが正しいということも肯定しませんし、共感することもないでしょう。単純に一つの研究結果として考えた場合では生まれ変わりの村と比較した場合、イアン氏の研究結果についてまとめた書籍の方が圧倒的に説得力のあるものだということを言いたいのです。最終的には内容をどのように解釈するかは人それぞれとなっているのです。
輪廻などの死生観については様々な見解を巻き起こすことになるテーマとなっています。
世界的にどのような考え方となっているのか、世界各地に根付いている死生観について考察をしてみましょう