生まれ変わり研究の権威

イアン・スティーヴンソン

先ほどお話した生まれ変わりの村でも輪廻というものは存在していると主張していますが、内容については少し説得力に欠けているのも事実です。中国奥地にある村、84例を元にして作られたといいますが実はそのほかの生まれ変わりを主張している研究者から考えた場合、どうしても信用することの出来ない話だと思ってしまいます。なので、生まれ変わりというものを本気で研究したいと考えている人はその筋の権威とも称されていた研究者でもある『イアン・スティーヴンソン』氏の著書を参考にすると良いでしょう。私もこの原稿を書いているときに初めてその名前を知ったのですが、イアン氏の研究内容については裏付けもしっかりとしている地道な研究内容となっているので可能性として信じることをしてもおかしくないと思って言いといえるものとなっています。

イアン・スティーヴンソンと言う人は非常にアナログな人間だったそうです、もちろん彼が生まれた時代が日本で言うところの昭和初期、つまりは世界大戦開幕直前ともいえるような緊迫した時代に生を受けたのです。彼が純粋に生まれ変わりの研究を始めたのは1960年代、アメリカにあるヴァージニア大学精神科の主任教授に着任したとき際、世界中に存在していることを知ったことで、本格的に生まれ変わり現象について研究を始める価値があると判断したのです。それはつまり彼も当初は人間が前世の記憶を持っているなどと非科学的なものだと思っていたことと考えられます。

前例があるからこそ取り組む価値はある、その点についても非常に理知的な人の見解といえるでしょう。その後順調に研究を進めていくことで彼は多くの前世の記憶を持って生まれた子供を対象とした研究に没頭していくことになります。

用いた研究方法

イアン氏が用いた研究方法というものは一体どのようなものだったのか、ということなのですがこれもまた彼の研究内容に多くの人が興味関心を惹かれるようになる一因を生み出していると考えて良いでしょう。では具体的にどんな方法だったのかというのは以下の通りとなっています。

面接方法
前世の記憶を持っていると思われる子供、主に2歳から5歳までの子供とその家族を対象にして地道に質疑応答をして食い違いがないように気をつけながらどのよう中個性を持っているのかということを研究していきます。そうして話していく中で、それぞれの過去制を持っていると思われる子供達の特徴をポイントごとにまとめていくのです。
実地調査
フィールドワークともなれば必ず現地まで研究者が足を運ぶのは当然のことです、もちろんその活動をイアン氏も研究開始当初から行なっていきました。しかし中には家老などの影響からフィールドワークに出ることが困難になる人もいるでしょう、そうなった場合助手などに任せるといった方法を取る人もいる、もしくは電話という技術が発展したことで遠距離から研究するといった方向へと転換する人もいる中で、イアン氏がひたすらその足で、自分の目と耳で緻密に調査を続けて行ったのです。

この二つの研究方法は調査という方法で考えるなら、今ではアナログ的な行動といえるでしょう。現代ではインターネットというものが誕生したこともあって情報がネット社会に散漫しているので、わざわざ足労を伴わないで調べることも出来ます。インターネットの技術は元々アメリカから誕生したこともあって文化としてはアメリカでも当初から研究者の中には率先して取り入れて行った人もいたでしょう。そんな中でひたすら自分が聞いたものしか信用しないという信念なのか、研究開始から40年という時間においてそのスタイルを一切変えることなく研究し続けた結果、なんと合計2000例もの研究成果を出すことに成功したのです。

アメリカなどの文化圏のみならず、世界各国を含めた各地域による研究結果としては少ないケースだと考える人もいるかと思いますが、研究テーマにしている内容の事を考えると説得力のある数字といえるのではないでしょうか。先ほどの中国奥地の話を信じるか、イアン氏の研究したものを信じるかはお任せする形になってしまいますが、出来るのであればイアン氏の方に少しは見聞を広めるという意味で教養という常識で勉強するときの参考書として選択した方がいいと言いたい。

因果応報と輪廻転生

イアン氏の研究における生まれ変わりをした子供達の特徴

イアン氏が提案した生まれ変わりの子供達の特徴というものにもそれぞれ特徴というものが見出されています。その中には少しに通っているようなところもありますが、生まれ変わりのムラの題材ともなっている中国奥地の人々が証言している内容と少し異なっているものもあるので、その辺についても少し比較しながら話を進めて行こうと思います。

前世を語る年齢に上限がある
生まれ変わりの村にて生活している中国人達は成人してからも生まれ変わった記憶を持っていると話していますが、イアン氏の研究対象となった子供たちは話し始める事の出来る2歳から5歳まで前世のことについて覚えているなら話しているそうです。そして5歳以降になると本人の記憶からもまるで最初からなかったかのように話さなくって忘れてしまうというのです。この点は違いますね、中国僻地の方では成人してからもいまだに覚えているのに対して考えると、かなり早い段階から生まれ変わったことすら忘れてしまうのです。ずっと覚えているというのも少し妙な話ではあります、例え生まれ変わったとしても今の自分には関係のないこととなりますから、必然的に消去されてしまうということなのかもしれません。では生まれ変わりの村の人々はずっと覚えているといいますが、覚えていることで一体どうしたいのかということに疑問を持ってしまいます。例え前世の記憶を持っているからといっても、当人ではないためその時存在している自分には前世の記憶というものは繋がりを求めているという点では不要なものだと感じられます。説得力を求めた話を希望しているのでしたら、やはりイアン氏の研究成果についてが最も信頼するに値する話といえるでしょう。
引き継いでいる記憶の量が異なる
イアン氏の研究対象となった子供達の前世での記憶として、その量にはかなりの違いが見られます。本当にごく僅かに覚えているという子もいれば、鮮明に膨大な量の前世の記憶を所持しているという子もいます。では生まれ変わりの村で暮らしている住民達は、何故か全員鮮明に過去のことを覚えている上、死後の世界についても詳しいところまで記憶しているというのです。記憶の欠落というものは人によって異なるものです、それに対して大半の住民がそんな些細なことまで覚えているなら信じるしかないと思いたくもなりますが、捕らえ方によってはイアン氏の研究対象となった子供達の記憶の所持量についてが信頼するに値する感じられます。
死に方が共通している
前世の記憶を引き継いでいる人の特徴として、圧倒的な特徴とした挙げられたのはどの文化圏でも『男児が多い』ということ、さらに寿命ではない突然死ともいえる『非業の死を遂げた』ことなども特徴として上げられています。生まれ変わりの村での人々もまた非業の死を遂げていることについては共通しているといえるかもしれません。この点については認めなくてはいけないでしょう。

といった具合によってイアン氏の研究結果は事細かにまとめられていくようになりました。無論ですが生まれ変わり等あるわけがないとして批判を浴びることもあったでしょうが、それもやむなしでしょう。私もイアン氏の言っていることが正しいということも肯定しませんし、共感することもないでしょう。単純に一つの研究結果として考えた場合では生まれ変わりの村と比較した場合、イアン氏の研究結果についてまとめた書籍の方が圧倒的に説得力のあるものだということを言いたいのです。最終的には内容をどのように解釈するかは人それぞれとなっているのです。

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輪廻などの死生観については様々な見解を巻き起こすことになるテーマとなっています。
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