【フィギュア】日本、団体戦５位　真央、気持ち切り替え１９日から個人戦

日の丸を持って、リンクの町田を見つめるフィギュア団体の日本チーム（後列左から高橋大輔、浅田真央、高橋成美、木原龍一、羽生結弦＝共同）

　◆ソチ冬季五輪第３日　▽フィギュアスケート団体（９日・アイスバーグ・スケーティング・パレス）　団体の最終日が行われ、日本は総合５位でメダルに届かなかった。男子フリーで町田樹（２３）＝関大＝が１６５・８５点の３位、女子同で鈴木明子（２８）＝邦和スポーツランド＝も１１２・３３点の４位と振るわず、アイスダンスのキャシー・リード（２６）、クリス・リード（２４）組が５位に終わった。新種目の金メダルは地元・ロシアで、女子の１５歳・ユリア・リプニツカヤが圧巻の演技を披露し、アイスダンスを残して優勝を確定させた。

　チーム・ジャパンで目指したメダルは、あと一歩届かなかった。男子フリーで登場した町田は「２０年間憧れてきた舞台」という五輪最初の演技で、力を出し切れなかった。昨季から取り組み、世界に導いてくれた「火の鳥」の演技。冒頭で予定していた４回転トーループ＋２回転トーループの連続ジャンプが４回転トーループだけになった。転倒などの大きなミスこそなかったが、４つのジャンプで予定したものより低いレベルのものとなってしまった。

団体男子フリーで演技する町田（共同）

　昨季までは国内で“第６の男”と呼ばれた町田が、大きく羽ばたいて迎えたソチの舞台。ショートプログラムに出場してトップだった羽生結弦（１９）＝ＡＮＡ＝、浅田真央（２３）＝中京大＝、この日ソチに到着したばかりの高橋大輔（２７）＝関大大学院＝ら、チームメートが待っている場所では笑顔でガッツポーズを見せたが、得点が出ると微妙な表情。ロシアのプルシェンコ、カナダのレイノルズに及ばず、３位に終わった。

　「メダルのために自分の役割は１位になることだった。今季で一番弱い自分が出てしまった。心の奥底から出てきた“彼”との勝負に負けてしまった」と独特の表現で謝罪。個人戦に向けては「メダルを取るためにここに来ている。スコアとか関係なく、プログラムへの愛を皆さんに届けたい」と気持ちを入れ替えた。

　メダル獲得へ、わずかな望みを託された女子フリーの鈴木も、後半の３回転ルッツで着地を失敗。１１２・３３点と得点が伸びず、４位と力を出し切れなかった。「今まで感じたことのない特別な雰囲気で、どう持っていけばいいか難しかった」と反省した。

団体女子フリーの演技を終え、チームメートに向かい手を合わせる鈴木明子（共同）

　リードきょうだいは５位に終わり、総合でも５位。新種目での日本勢メダル１号の夢はかなわなかった。だが、羽生、真央も含めた個人でもメダルを目指す選手が、ソチのリンクや雰囲気を経験できたことは個人戦に向けてはプラス材料。チームの主将を務めた鈴木は「修正できるところはして、個人の時は最初から調子を持ってこれるようにしたい」と決意を新たにした。メダルを争うライバルとして、次にソチのリンクに戻ってくる時は最高の演技を見せるはずだ。

　◆フィギュア団体の競技方法　１０か国が参加。男子、ペア、アイスダンス、女子のＳＰ（ＳＤ）を行い、各種目で１位＝１０点、２位＝９点、３位＝８点…１０位＝１点が与えられる。４種目が終了した時点で上位５か国がフリーに進出。ＳＰと同様、１位＝１０点…５位＝６点が与えられ、ＳＰとフリーの合計点で総合順位を決める。ＳＰとフリーで２種目まで選手の変更が可能となっている。