リンクサイドに出場10カ国の応援席が作られた舞台は、国際スケート連盟が2009年から開催している国別対抗戦と同じだった。静寂と緊張が支配するいつものリンクと違い、団体戦ならではの盛り上がる雰囲気が伝わってきた。欧米の選手たちはこういうムードに“乗っかる”のが本当にうまい。実際に自己ベストを更新してくる選手も結構いた。
■「チームのために」の気持ちが重圧に
半面、責任感の強い日本の選手たちは少し硬かったかなと思う。個人戦を先に見据えて調整や気持ちの持っていき方も難しかっただろう。女子ショートプログラム(SP)に出場した浅田真央選手が現地入りしてからあれだけ調子が良かったはずのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒してしまったのは、「チームのためにやらなければ」という気持ちが逆に重圧になったのではないかと推察する。
いつも情感たっぷりに演じる鈴木明子選手のフリーも、ちょっとおとなしかった。4度のジャンプで回転不足もしくはダウングレードを取られてしまったが、大事に演技しようとする意識が裏目に出たように見えた。SPなしでいきなりフリーを滑るという団体戦ならではのオーダーに集中しきれなかった面もあるのだろう。
町田樹選手は2つめの4回転トーループが跳べていれば(実際には3回転の判定)、数字上はエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)とケビン・レイノルズ(カナダ)を得点で上回って男子フリーで1位になれる計算だった。町田選手の出番前で日本は5位。銅メダルを争う米国との4ポイント差が頭にちらついたかもしれない。
ジャンプの転倒もあれば、足が止まりかける局面もあった。羽生結弦選手自身も百パーセント満足できる演技ではなかったかもしれないが、この日ばかりは金メダルという結果が全て。日本のフィギュアスケート界に身を…続き (2/15)
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