<五輪フィギュア>家族のように協力 初の団体、選手に好評
毎日新聞 2月10日(月)20時26分配信
五輪で初実施されたフィギュアスケートの団体は、個人種目にない面白みがあり、出場国の選手からは好評の声も多く聞こえた。
【写真特集】フィギュア団体 羽生、浅田、鈴木らの演技を写真で
競技中は種目が異なる選手たちがリンクで共に過ごし、互いの演技を目の前で見ながら応援し合った。普段の大会では自分の出番の前後しかリンクに出られないことが多いだけに、新鮮な体験だったようだ。
カナダで男子のショートプログラム(SP)を担ったパトリック・チャンは「自分の演技直前にドイツのアイスダンスの選手と話したのは、とても不思議な感じだった」と明かす。ロシアは男子で31歳のエフゲニー・プルシェンコから女子で15歳のユリア・リプニツカヤまで、幅広い年代の選手が力を合わせて優勝を勝ち取り、アイスダンスのドミトリー・ソロビエフは「一つの大きな家族のように協力したから表彰台に立てた」と語った。
これまで個人種目しかなかったフィギュアでさらにメダルを狙う機会ができ、国の代表の意識を強く持てたことも選手を刺激した。カナダのペアのカーステン・ムーアタワーズは「皆が自分のためだけでなく国のために滑った」と振り返る。同時に、日本の女子SPに登場した浅田真央(中京大)が「自分が失敗したらフリーに進めないというのがすごいあった」と語ったように、独特の緊張感も生んだようだ。
もっとも、個人種目重視の姿勢はどの選手にも共通している。アイスダンスのエカテリーナ・ボブロワ(ロシア)は「団体の優勝で五輪チャンピオンになったとは思わない。明日からは団体のことは忘れて個人の金メダルを目指す」と言い切った。11日のペアSPから個人種目がスタート。これからが戦いの本番だ。【石井朗生】
最終更新:2月10日(月)20時55分
読み込み中…