フィギュア団体に裏取引疑惑
東スポWeb 2月11日(火)12時11分配信
【ロシア・ソチ9日(日本時間10日)発】ソチ五輪フィギュアスケート新種目の団体は開催国ロシアが初代王者に輝いたが、舞台裏では大騒動が発生。フィギュアの採点でロシアと米国の裏取引疑惑をフランスのスポーツ紙「レキップ」が報じたのだ。ロシアの団体金メダルも不正の成果だとしたら…一体どうなっているのか?
リンクで選手たちがプレッシャーと闘う一方で米露による衝撃の裏取引が飛び出した。「レキップ」紙はロシア人コーチの話として、米国がアイスダンスで金メダルを獲得する見返りに、団体とペアではロシアに便宜を図るという取り決めがなされている…と報じたのだ。
団体は女子シングルの新星ユリア・リプニツカヤ(15)、男子シングルの皇帝エフゲニー・プルシェンコ(31)らの活躍でロシアが圧勝。米国のアイスダンス代表も最高得点を挙げた。実際に行われていたかはともかく“裏取引疑惑”通りの結果となった。
もちろん、フィギュアの関係団体は即座に疑惑を否定。国際スケート連盟(ISU)はすぐに「証拠のない噂や主張には答えない」と声明を発表すると、米国協会も「誰ともそんなことはしていない。ばかげている」と反論した。アイスダンス米国代表のメリル・デービス(27)、チャーリー・ホワイト(26)組はGPファイナル5連覇中の強豪。わざわざ裏取引をしなくても、金メダル獲得は確実と言われていた。
とはいえ、フィギュアは振り付けや身のこなし、曲の解釈など、主観的な要素を採点する特殊な競技。タイムなど誰の目にも明らかな決着がつく陸上競技や競泳とは決定的に違う。それだけに過去にも不正を疑われたケースは数知れず。実際に2002年のソルトレークシティー五輪ではペアの採点に不正が発覚し、優勝したロシアペアだけでなく、2位のカナダペアにも金メダルが贈られるという異例の事態を引き起こしている。
その後、採点方式が変わったが、そこはやはり採点種目。実は、審判への“アプローチ”はいまだにあるようだ。ISUの実情に詳しいある関係者が打ち明ける。
「国によっては、審判の部屋に直接電話し『うちの○○をよろしくお願いしますよ』とお願いするところもあるようです。ちょっと、露骨ですよね」
これはもちろん、五輪に限った話ではない。あいさつ程度ではあくまで“グレーゾーン”だが、採点を有利にしてもらおうと、度を越した行為を行う国もあるようだ。
期待の浅田真央(23=中京大)、羽生結弦(19=ANA)らが出場する男女シングルは今回、疑惑の対象となっていないものの、フィギュア界では長年続く根深い問題だけに、騒動が飛び火する可能性もありそうだ。
最終更新:2月11日(火)13時59分
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